イチローもびっくり“二遊間”守った

[ 2008年8月18日 06:00 ]

ツインズ戦の9回、1死二、三塁のピンチで守備位置を右翼から二遊間に変えるマリナーズのイチロー

 【マリナーズ6-7ツインズ】マリナーズのイチロー外野手(34)が16日(日本時間17日)ツインズ戦でメジャー初の“内野守備”を体験した。同点の9回にサヨナラのピンチで右翼から二遊間に移動して“内野5人シフト”に参加。打者はカウント途中で敬遠となり、右翼に戻った直後にサヨナラ負けを喫した。イチローの非凡な能力に勝敗を託した監督の大胆作戦も、実を結ばなかった。

 異変が起きたのは同点の9回、1死二、三塁のピンチだった。マ軍のリグルマン監督がマウンド上から右翼のイチローを手で招き寄せる。ストレッチ中だった背番号51は、二塁手ロペスに呼ばれ初めて気がついた。

 「どう考えても僕が一番肩が強いので、センターやレフトに行くイメージはあった。でも内野というのは僕の中ではなかった」と戸惑いながら二塁ベース後方の守備位置に向かう。内野は公式戦ではオリックス時代に1度だけ経験があるが、7年連続ゴールドグラブ賞のメジャー屈指の外野手を“二遊間”で起用するとは…。しかも特殊な“内野5人シフト”だ。

 ボール気味のくさいコースをついて内野ゴロになればもうけものというのが指揮官の狙いだった。しかし、投球は2球続けて外角に外れ、カウント0―2となったために敬遠策に切り替え、イチローは定位置へ。結局、次打者の左犠飛でサヨナラ負けとなった。
 実はマ軍は9日のレイズ戦で延長10回に1死満塁のサヨナラ機をつかみながら、相手にこの作戦を使われ、三ゴロ併殺の術中にはまった。後日、リグルマン監督は「ウチがそれをやるならイチローを内野に入れるね。彼は器用だから」と話していたが、当の本人は寝耳に水。「最初はピッチャーかなと…。ああ違うんだとガッカリした」と苦笑いを浮かべた。

 バットでは3試合ぶりの安打で、今季45度目のマルチを記録。6回2死二、三塁では一時は逆転となる2点適時打を放つなどヒーローになりかけていた。だが、最後は不完全燃焼に終わり、表情はさえなかった。

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2008年8月18日のニュース