岸 喜び半分1失点も10勝目

[ 2008年8月18日 06:00 ]

<西・オ>渡辺監督(左)にねぎらわれる岸

 【西武4-1オリックス】西武特急は打つだけじゃない。パ・リーグの首位を快走する西武は17日、オリックスと対戦。2年目右腕の岸孝之投手(23)が完封こそ逃したが、3安打1失点完投で今季10勝目をマークした。昨年の11勝に続く2年連続2ケタ勝利。西武で新人年からの2年連続2ケタ勝利は99~01年まで3年連続をマークした松坂大輔(レッドソックス)以来となった。チームは18日にも優勝マジック29が点灯する。

 腰の低いお立ち台だった。プロ2年目右腕の岸が今季4度目の完投勝利で新人年から2年連続2ケタの10勝目。球団では松坂以来の快挙だがどうにも浮かない表情だ。

 「細川さんがうまくリードしてくれました。9回は“前科2犯”と監督に言われて(完封を狙って)行ったんですが…」

 8回まで2安打投球も9回に犠飛で失点した。4日のロッテ戦(長野)は9回に被弾。同11日の日本ハム戦(西武ドーム)は球数が130に達した8回で降板。この日はチェンジアップを生かし9三振を奪ったがまたもや失点。3試合連続で完封を逃し“前科3犯”になったとあっては、喜びが半減するのも無理はない。

 それでも8月はこれで3連勝。エース・涌井の不在が発奮材料だった。4日に完封を逃した後、代表合宿中の涌井から「何やってんの」とツッコミメール。中国・北京からもメールが来るという。「ワクがいない分、頑張らないといけない。あとで文句を言われるのも嫌なので」。2年目のジンクスを吹き飛ばして、投手陣を支える自覚を強めたが「また今回言われそうな気がします」とこの時ばかりは遠い目をした。

 連勝のチームは、18日にも優勝マジック29が点灯する。渡辺監督は「マジック?知らなかった。でもまだいいんじゃないの」と話しながらも「選手の気持ちが乗っている。絶対に負けたくないと。それが好結果につながっている」。涌井、そしてG・G・佐藤、中島。北京で奮闘するレオ戦士に、マジック点灯の吉報を届ける。

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2008年8月18日のニュース