前田満塁弾!常葉菊川 静岡35年ぶり決勝

[ 2008年8月18日 06:00 ]

<常葉菊川・浦添商>2回、前田は左越えに満塁弾を放ち、ガッツポーズ

  第90回全国高校野球選手権大会は17日、甲子園球場で準決勝2試合が行われ、第1試合では常葉学園菊川(静岡)が、2回に前田隆一主将(3年)の満塁本塁打などで一挙9点を挙げ、浦添商(沖縄)に9―4で逆転勝ち。同校初、静岡勢35年ぶりの決勝進出を決めた。第2試合では大阪桐蔭(北大阪)が横浜(南神奈川)を9―4で破った。4059校の頂点を決める大一番は、18日午後1時にプレーボールとなる。

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 【常葉学園菊川9-4浦添商】ピンストライプのユニホームが次々と本塁を駆け抜けた。ビッグイニングに甲子園が揺れた。

 「打撃の指示はしていません。ただ、浦添商の先発が伊波君ではなかったので優位に立てた」と佐野監督。この日の浦添商の先発はエース伊波ではなく、背番号15の島根。予想外の右サイドハンドにも打線がきっちり対応した。1点を先制された直後の2回。安打と四死球で逆転に成功すると、代わった伊波にも襲いかかる。伊藤の満塁走者一掃の二塁打、さらに前田主将が2試合連発となるグランドスラムを左翼席へ叩き込み、この回だけで9点。猛打でチーム初、静岡勢では73年の静岡以来35年ぶりの決勝進出を決めた。

 3試合連続2ケタ安打と打線が好調。特に光るのは畳みかける集中打だ。3回戦(対倉敷商)の5回に7点、準々決勝(対智弁和歌山)の6回にも10点。その秘密を元中日外野手の指揮官は「一喜一憂しないこと。そして3年生のきずなです」と説明する。プロの経験から微妙な心境の変化で試合の流れが変わることがしみている。そのことを部長時代から何度も選手に言い聞かせてきた。さらにセンバツ後には不祥事で前監督がチームを去った。試練を乗り越え、どんな局面でも平静さを維持できる強い心、仲間を信じる、つなぎの野球ができるようになった。

 決勝の相手・大阪桐蔭には6月15日の練習試合で1―9の完敗を喫した。「借りを返したい」と前田。最高の舞台でリベンジを果たし、深紅の大優勝旗を手に入れる。

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2008年8月18日のニュース