常葉のプロ注目左腕、肩痛も「仲間信じて投げた」

[ 2008年8月18日 19:01 ]

 【常葉菊川0-17大阪桐蔭】9回、致命的というにはあまりにも開きすぎた17点目を失った直後にエースは再びマウンドに戻ってきた。「最後に投げさせてくれたので仲間を信じて思い切り投げた」と常葉学園菊川の戸狩。左飛で相手の長い攻撃をようやく締めくくった。

 痛々しかった。悪化した左ひじはとても日本一を決める舞台に上がれる状態ではなかった。本来は140キロを超える速球が自慢のプロ注目の左腕が、素人のような手投げで110キロ台を出すのがやっと。立ち上がりに満塁本塁打を浴びるなど、3回を投げて被安打9の5失点。この時点で勝負の大勢は決まってしまったが、背番号1は「このひじでここまで来られたのはすごい。自分でもびっくりしている」と笑顔すら見せた。
 抜け目のない走塁で決勝点を奪った初戦の2回戦。3回戦から準決勝までは積極果敢な打撃でビッグイニングをつくった。準決勝まで全試合が逆転勝ち。不祥事による監督交代やエースの故障に負けず、チームは全国制覇にあと一歩まで迫ったのは事実だ。佐野監督は「全く悔しくない。選手は悔し涙じゃなく、決勝まで来られた達成感の涙だろう。このスタイルでまた日本一に臨みたい」と誓った。

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2008年8月18日のニュース