黒田「壊れてもいい」 日本流で不振脱出

[ 2008年6月7日 17:02 ]

 3―0の9回2死。最後の打者を外角スライダーで見逃し三振に仕留めると、ドジャースの黒田は大きく息を吐き、こぶしを握った。日本投手として3年ぶりの完封勝利。これまでのうっぷんを晴らし、「今日で壊れてもいいという気持ちでいけた。それが日本でやってきたスタイルだから」と喜びをかみしめた。

 速球で押し、握りを修正してスピードと落差を増したスライダーが決まった。1回に前回対戦で2安打されたソリアーノを三振に取ってリズムに乗り、計11奪三振。2度目の対戦となるカブスの強力打線を112球で無四球4安打に抑えた。
 最大のピンチは1―0の4回無死一、三塁。4番ラミレスをスライダーで空振り三振に封じ、福留には速球で攻め、最後はこの日最速の96マイル(約154キロ)の外角球で遊ゴロ併殺に。雄たけびを上げ、「どうしても三振がほしかった。同点は覚悟したが、うまく併殺も取れた」。
 気持ちが吹っ切れた。勝てない時期は、中4日でまとまった投球をしながらも、違和感を感じていた。前回の登板後、「おれは才能に恵まれていない。死ぬ気で投げることで壁を破ってきた」と自分を見つめ直した。
 制球がばらついても、打者はボール球を空振りした。黒田は「忘れていた部分を思い出せたのがうれしかった」と晴れやかな表情で語った。(共同)

続きを表示

2008年6月7日のニュース