156キロ腕・田沢が大会新の18K

[ 2008年3月24日 06:00 ]

<新日本石油ENEOS・JFE東日本>大会新記録の18奪三振を記録した新日本石油・田沢

 社会人野球の「第63回JABA東京スポニチ大会」第5日は23日、神宮球場で準々決勝4試合が行われた。第4試合では、新日本石油ENEOSの田沢純一投手(21)が18奪三振をマーク。74年に山口高志(松下電器)が樹立した16奪三振の大会記録を34年ぶりに塗り替えた。チームはJFE東日本に3―0と快勝し、05年以来3年ぶりに準決勝に進出した。また富士重工、JR東日本、日本通運がそれぞれ4強入り。24日は準決勝2試合と決勝が行われる。

 【新日本石油ENEOS3―0JFE東日本】カクテル光線に照らされて、奪三振ショーが繰り広げられた。最速156キロを誇る今秋のドラフト候補右腕・田沢が「オリャーッ」と叫びながら三振の山を築く。5連続と6連続を含む衝撃の18K。阪急で“小さな剛腕”として活躍した山口高志(現阪神スカウト)が松下電器時代の74年に樹立した16奪三振の大記録を塗り替えた。
 「18?数えていなかったので、試合後に知りました」とビックリ。4安打に抑え、完封自体も横浜商大高3年(04年)の夏の神奈川県大会5回戦(対日大高)以来だ。
 序盤から予感は漂っていた。2回に無死一、三塁のピンチを招くと背筋が伸びた。5番・金森を皮切りに回をまたいで5連続三振。6回には早くも2ケタに達し、観客席がざわめきだした。9回には先頭の前川をフォークで空振りさせ、新記録となる17個目。さらに続く大河原を見逃し三振で18個まで伸ばした。
 18奪三振は都市対抗、日本選手権を合わせても3大大会“最多記録”となったが、田沢は「結果的になっただけ」と淡々。今季は抑えから先発に転向して体力強化に努めてきた。奪三振よりも、この日最速の152キロが8回2死でマークできたことに「スタミナがついた」と自信を深めた。
 昨秋ドラフトは「会社に貢献していないから」との理由でアマ残留を表明したが、今年はプロ入りを念頭に置いている。横浜、日本ハムなど数球団が注目する右腕。大久保監督は「これで満足するような選手では困る」とゲキを飛ばした。チームも13年ぶりの大会Vへ、勢いは強まる一方だ。

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2008年3月24日のニュース