「不調」6Kも大塚 完封デビュー

[ 2008年3月24日 06:00 ]

<聖望学園・小松島>9回2死一塁、初田をを一ゴロに仕留めガッツポーズする大塚

 【聖望学園2―0小松島】マウンドで白い八重歯が何度もこぼれた。テンポ良く、そして力強く。“関東のドクターK”の異名をとる大塚が初の大舞台で堂々の投球を披露。奪三振こそ6だったがわずか102球で7安打完封。「調子は悪かったけど、悪いなりに抑えることができました。点を取られたら士気が下がりますからね」。お立ち台でも笑みは絶えない。

 昨秋公式戦9試合で2完封など6完投。1試合平均11・15奪三振を誇る大黒柱も、序盤は緊張で腕が振れなかった。ナインに何度も声をかけられようやく笑顔が戻ると球威も増した。5回には自己最速を2キロ上回る146キロを計時。直球が走れば、得意のカットボール、スライダーも生きた。小学校時代から通算11年間バッテリーを組んでいる原茂(はらも)の好リードもあって得点は許さなかった。
 小学5年の2月に父・明世さん(享年53)を食道がんで亡くした。生前言われ続けたのが「甲子園へ行って、プロ野球選手になれ」だった。目標をまず1つかなえた大塚は「まだ自分の力は出し切っていない。先に点を取ってくれれば、僕は点を取られない」。強豪・履正社が相手の3回戦も笑顔で三振を積み重ねる。

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2008年3月24日のニュース