10代開幕先発へ 坂本4安打アピール

[ 2008年3月12日 06:00 ]

<阪神・巨人>9回無死、坂本は左中間二塁打を放つ

 【巨人2―5阪神】巨人の坂本勇人内野手(19)が11日、阪神とのオープン戦(スカイマーク)で先制打を含む、自身初体験の4安打をマークした。連日、原辰徳監督(49)によるマンツーマン打撃指導でフォームを修正した成果を示して、目標に掲げる開幕1軍へ猛アピール。開幕メンバーへのふるい落としが始まった初戦で結果を出す勝負強さも発揮した。球団史上、94年・松井秀喜(ヤンキース)以来14年ぶりとなる10代野手の開幕スタメンも、もはや夢物語ではない。

 坂本の両手には確かな感触が残っていた。2回2死一塁。福原の内角140キロ直球を振り抜いた打球は、左中間フェンスを直撃するタイムリー二塁打。塁上の19歳の表情は安ど感に満ちていた。
 「ホッとしています。結果を恐れず、思い切っていきました。しっかりシンでとらえられているので、この調子を続けていきたい」
 4回も内角直球を鮮やかに左前打。6回は外角一辺倒のカウント2―2からのスライダーにバットを折りながら中前打。締めは9回、高めのスライダーを左中間に運んだ。阪神バッテリーの多彩な攻めに見事な対応。「試合前の打撃練習ではいい感じではなかったので、試合で切り替えていきました」と胸を張った。
 この日に懸けていた。青森・光星学院出だが出身は兵庫。この試合も地元の知人を球場に招待していた。ウオーミングアップは体の切れを出すためにダッシュを増やし「いつもの倍以上汗かきましたよ」。試合前は原監督に直接アドバイスを受け、上体に力が入り、左サイドが下から出る悪癖を修正。グリップをぶつけにいくような、上から球をとらえる感覚を試合中の打席で実践した。指揮官は16日の阪神戦からベストメンバーを組む意向。生き残りを懸けた第1ラウンドの爆発に「いいアピールができたかなと思います」と笑った。
 キャンプでは長嶋終身名誉監督から「君の将来に期待している」と声を掛けられ、6日の燦燦会の壇上でも紹介された。「期待してもらっているのは分かっているので、応えられるようにしたい」。左ひざ手術からリハビリ中の二岡は開幕に間に合う見込みだが、回復具合次第では94年の松井(現ヤンキース)以来14年ぶり、2リーグ制以降、巨人史上4人目の10代開幕スタメンの可能性も出てきた。出場機会を求めて、遊撃だけでなく二塁の守備にも挑戦中の19歳に原監督は「きょうは、らしさが出ていた。16日が近づいてきているからね」と言えば、篠塚打撃コーチも「並の若手とは違う。対応する雰囲気を持っている」と称えた。
 12日の練習試合・阪神戦(甲子園)、13日のオープン戦・西武戦(岐阜)でふるい落としが決まる。「やれることをしっかりやって、1軍に残れるようにしたい」。2年目の19歳が今季初の“伝統の一戦”で、その目標に近づいた。

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2008年3月12日のニュース