夢の中…あこがれの双葉山から力もらった白鵬

[ 2009年11月28日 21:26 ]

大相撲九州場所で優勝を決め、祝いのタイを手に笑顔の横綱白鵬。左は宮城野親方

 【大相撲九州場所14日目】10月下旬のことだった。白鵬は運命的な体験をした。少し照れくさそうに、でもうっとりとした笑顔で打ち明けた。

 「夢の中で双葉山関と相撲を取ったんですよ。どこかの稽古場で右四つがっぷりになりました」。勝負の結果は秘密だという。だが眠りながら得た感触は覚えている。「体に弾力があって、でも力強かったなあ…」。
 あこがれ続ける69連勝の大横綱に優勝回数で並んだ。左前まわしを引いた琴光喜を振りほどき、最後は右四つで胸を合わせての左上手投げで熱戦を制した。「力が入りました」と荒い息遣いの白鵬に笑みはない。「まだあすがあるから。今場所はまだ終わっていない」と自身4度目の全勝優勝へ気持ちを切り替えた。
 ただ年間最多勝新記録の樹立には素直に喜んだ。「本当にうれしい。日々努力したことが良かった。今場所は寄ったり、投げたり、自分の相撲を取り切った。まあ安定感抜群、かな?」とほほ笑む。新記録達成に武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は「(超える人は)出てこないんじゃないの」と脱帽するばかり。この日で大鵬と並んで最速タイの横綱在位200勝目というおまけもついた。

続きを表示

2009年11月28日のニュース