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【帝京大学】アク・ベシム遺跡で7世紀後半の大量の瓦発見

[ 2017年6月13日 05:30 ]

 帝京大学シルクロード学術調査団(団長:山内和也文化財研究所・文学研究科教授)は、5月に中央アジアのキルギス共和国にあるアク・ベシム遺跡(※)で、7世紀後半のものとみられる大量の瓦を発見した。調査団は今回の発見により、当時の中国王朝・唐がシルクロードに築いた最も西の軍事拠点「砕葉鎮城」の跡が確認できたとしている。

 調査団は2016年4月に同大文化財研究所の教員を中心に結成。シルクロード沿いの拠点都市の1つであった同遺跡の発掘を通して、その当時の人びとの生活、歴史、文化を解き明かすこと、そして過去だけでなく、現在そこに住んでいる人びとが、その土地が持つ自然環境の中でどのように生きてきたのかを調査することを目的としている。

 16年4月21日〜5月16日に遺跡の第1次調査を実施した。この調査では、中国唐時代の開通元宝や炉、ごみ穴が検出されたほか、生活住居と思われる遺構の調査も行った。

 続く16年度第2次調査では、第1次調査で出土した遺物の整理と周辺遺跡のドローンによる空撮を実施。第3次調査では文字資料遺物の、出土した骨資料の調査などを行った。

 このたびの2017年度第1次調査で、調査団は7世紀後半のものとみられる大量の瓦を発見。これは、当時の中国王朝・唐がシルクロードに築いた最も西の軍事拠点である「砕葉鎮城」の跡と見られる。多くの瓦に焼けた痕跡があり、人名の一部とみられる「懐」という漢字が書かれた瓦もあった。

 ※アク・ベシム遺跡 キルギス共和国にある5〜12世紀頃の交易都市遺跡。周辺地域は世界遺産であるシルクロードの一部を構成している。679年には、中国の唐王朝が西域支配の拠点として砕葉(スイヤブ)鎮城を築いたと歴史書「旧唐書」に記されている。

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