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【横浜国立大学】企業とIoTサイバーセキュリティー研究開始

[ 2017年6月28日 05:30 ]

 横浜国立大学(学長:長谷部勇一)と、ソフトバンクグループのBBソフトサービス株式会社(本社:東京都中央区/社長:原山 健一、以下「BBSS」)は、急増するIoT機器を狙ったサイバーセキュリティー脅威の一般消費者への拡大を防ぐため、2017年6月から共同研究を開始する。手口の高度化によって実態が見えにくくなっているIoT機器を狙った脅威の実態把握と、安全確保を行うための手法や技術の開発を行っていく。

 同大学「情報・物理セキュリティ研究拠点」(拠点長:松本勉教授)はこの分野における未解決問題の特定と解決を目指し学術面での貢献と、社会への実展開を志向する、研究実践グループ。セキュリティーの弱いIoT機器を狙った「Mirai」をはじめとするマルウェアや、それを用いた大規模なサイバー攻撃についても早くからその観測を行い、脅威の存在や攻撃の現状について研究結果を公表してきた。

 一方、BBSSは国内、海外の通信事業者を通じた一般消費者向けのセキュリティーサービスの展開を06年の会社設立時から継続しており、一般消費者のセキュリティー環境の向上に貢献してきた。しかし、昨今のサイバーセキュリティー脅威はパソコン、スマートフォンを対象としたものから、一般家庭のネットワーク機器やそこに接続されるさまざまな家電製品へと標的を拡大しつつある。

 そういった背景から家庭のネットワーク全体を保護する次世代のセキュリティーサービスが必要と予測し、大手セキュリティーベンダーとの協業を推し進め、16年12月に家庭のネットワーク機器全体を保護する製品の提供を開始した。しかし家庭のIoT機器を狙ったサイバーセキュリティー脅威は一般消費者にはまだほとんど認知されておらず、対策の必要性について啓発を行い関心を高めていかなくてはならない。

 今回の研究では、IoT機器を狙うサイバーセキュリティー脅威の観測・分析を行うとともに、一般消費者のネットワーク接続機器の安全性についての関心を高めるための情報発信と啓発活動を共同で行っていくことも、重要な活動の柱として考えている。

 この研究では、一般の家庭を想定したコネクテッドホーム試験室をつくり、国内で一般に販売されネット接続機能のあるさまざまな家電、ネットワーク機器、IoTデバイスなどを約20カテゴリーからピックアップし設置する予定。またそれらに対するサイバー攻撃、マルウェアの感染や活動の観測を行い、家庭のネットワーク環境やIoT機器、パソコンなどにどのような影響を与えるか、将来におけるリスクと対応策、防御方法について研究を行う。

 また、社会への啓発活動の一助となるよう、観測データや研究結果について共同研究プロジェクトホームページで適宜公表していきたいと考えている。

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