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バルセロナ移籍を熱望
(連続ドラマ)マルコ・ヴェラッティ その結末やいかに?

バルセロナ移籍を希望していると噂されるパリSGのヴェラッティ
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 この夏フランスでは、「フーィユトン」と呼ばれる話題が続出している。

 「フーィユトン」とは、テレビの連続ドラマや新聞の連載小説のような“続き物”のことで、二転三転しながら話が展開してゆくためついつい人々が追ってしまう大衆劇。このためフットボーラーの移籍劇も、二転三転して長引くと「フーィユトン」と呼ばれるようになる。

 たとえば、神童キリアン・エムバペの行方も「フーィユトン」だ。

 モナコは慰留したいが、レアル・マドリードやマンチェスター・ユナイテドといったメガクラブが次々と名乗りを上げ、次いでアーセナルのアーセン・ヴェンゲルもべた褒めして獲得しようとし、遅ればせながらパリSG(PSG)も争奪戦に参加、つい最近はレアルのジネディーヌ・ジダン監督とフロレンティーノ・ペレス会長が直々にバカンス先のエムバペに電話したと判明して大きな話題に…といった具合。人々は固唾を呑んでその動向を見守っている。ただ成熟度の高いエムバペ本人はひっそりと熟考中で、みずから前面に出て騒がせることはしてない。

 これにたいしマルコ・ヴェラッティのそれは、典型的な本人(または代理人)主導型「フーィユトン」だ。

 もともとドナト・ディカンプリ代理人とヴェラッティは、毎年のように移籍話を持ち出してはサラリーアップを実現してきた。だが今回は本気らしく、何とかPSGを捨ててFCバルセロナ(1億ユーロを投じる用意があると言われている)に行きたい様子。そこでヴェラッティは、「出してくれないなら練習再開ボイコットも辞さない」と、脅しともとれる発言をして、物議をかもした。これが連続ドラマ第1話だった。

 もちろんこれは、直ちに議論を巻き起こした。「嫌がる選手を無理やり閉じ込めても結局うまくいかない。PSGは手放すべきだ」という論と、「相手は歴史的恥辱を味わわされたバルサ。しかもヴェラッティはPSGのプレーの中核。引き止められない場合PSGの権威は失墜する」という論が真っ二つに割れた。もっともよく聞くと、PSGの戦略はどうあるべきかが主体で、ヴェラッティへの同情論はあまりなかった。これが第2話。

 さて、そこに登場したのが、酷評で知られる1998年ワールドチャンピオンのクリストフ・デュガリ。フランスのラジオ「RMC」で、「彼は非常に優れた選手だが、何を証明したっていうんだ?ライフスタイルもちゃんとしてないから、ケガばかりだ」と噛みついた。これが連続ドラマ第3話だった。

 確かにヴェラッティは、ズラタン・イブラヒモビッチが去ってから押さえる人がいなくなってしまい、若さも手伝って、少々態度が大きくなった感がある。だが今度は代理人がデュガリに噛みつき返した。デュガリもイタリアにいたころは遊んでいたうえ、さしたる活躍もしなかった、と恨み骨髄の反撃だった。これが第4話。

 そして6月22日、今度はスペインの「マルカ」紙がヴェラッティの喫煙姿をすっぱ抜いた。スペインの高級リゾート地で、チームメイトのハビエル・パストーレや引退したばかりのマクスウェルらとバカンス中のヴェラッティを、パパラッチ撮影したのだろう。ヴェラッティはプロフェッショナリズムに欠ける、というのが売りらしく、スペインでは大きな話題になった。これが連続ドラマ第5話だった。

 もっともフランスでは、これは騒がれなかった。テレビ討論でも、「バカンス中にちょっと一服したぐらいで大騒ぎする方がおかしい。そもそも『マルカ』紙はやや…」「毎日一箱半ずつ吸っていれば、そりゃ話は別だが」と取り合わなかった。これは私も同感で、最も重要なのは選手の健康。煙草を推奨するわけにはいかないが、プライベート生活の1本の煙草写真を暴いて大儲けしようとする姿勢は、やや低級というものだろう。

 その22日午後、ヴェラッティはパリのPSG本部に来ていた。ここで彼はナセル・アルケライヒ会長とアンテロ・エンリケ新SDに会い、出ていきたい気持ちを訴えたらしい。だがいまのところPSGにヴェラッティを売るつもりはなく、両者の歩み寄りはなかった。これが第6話。

 さあ、その2日後(24日)である。今度はイタリアの「ガゼッタ・デロ・スポルト」紙が、ヴェラッティのこんな発言を記事中で報道した。「何が何でも出て行っちゃ駄目だって言うのなら、今度こそビッグチームをつくるのを見てみたいね。彼らは毎年ビッグチームをつくるって言うけど、結果は見ての通り。約束だけじゃ足りないんだよ。もし今回こそPSGが約束を守るなら、そのときは残ってよかったと思えるだろうさ」またまた連続ドラマ第7話だった。

 しかもそのすぐ後、ヴェラッティはソーシャルネット上で「そんな発言はしたことない」と否定! だが「レキップ」紙によれば、間違いなくガゼッタの記者にその発言をしていたという。そこで推論も噴出した。PSG残留を受諾したととられたくないため、バルサを意識して慌てて否定した、という説が一つ。チームメイトを馬鹿にしたことになるため慌てて否定した、という説が一つ。いずれにせよ、連続ドラマ第8話だった。

 いったい「連続ドラマ、マルコ・ヴェラッティ」は何話まで続き、どんな結末を迎えるのだろうか。ひとつだけ言えるのは、気持ちはわかるが、あまりインテリジェントな手法ではなかったということだ。可愛かった「イブ」(ミミズク、ヴェラッティのニックネーム)が、わがまま悪童になるか本物のビッグフットボーラーになるかの岐路にさしかかっていると言ってもいいかもしれない。

 もっともPSGもこの人事管理がターニングポイントだ。ここまではどこか、テレビゲームみたいな選手購入の仕方だったからだ。ここからはビッグクラブにふさわしい、確かな補強とプロフェッショナルなクラブ運営を実現しなければならないだろう。

 PSGの練習再開日は7月4日。メルカート閉幕日は8月31日。“要ご注目”である。(結城麻里=パリ通信員)

[ 2017年6月30日 18:00 ]

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