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現役J弾&元J弾!韓国2発でギリシャ撃破

[ 2010年6月13日 06:00 ]

<韓国・ギリシャ>前半7分、DF李正秀(右から2人目)のゴールに大喜びの韓国イレブン

 【W杯1次リーグB組 韓国2―0ギリシャ】Jリーガーが決めた。韓国が12日、アジア勢の先陣を切って登場しギリシャに2―0で快勝した。前半7分、現役JリーガーのDF李正秀=イ・ジョンス=(30=鹿島)が先制すると、後半7分には、かつて京都でプレーしたMF朴智星=パク・チソン=(29=マンチェスター・ユナイテッド)が追加点を決めた。欧州組が多く「史上最強」と呼ばれる韓国は、地元開催で4位に入った02年日韓大会以来の決勝トーナメント進出に向けて好発進した。

 韓国をけん引したのは現役Jリーガーと、元Jリーガーだった。先制点は前半7分、左サイドのFKをMF奇誠庸がファーサイドへ。そこに走り込んだのが鹿島のDF李正秀だ。右足ボレーで叩き込んだ。
 2点目は後半7分、MF朴智星が相手のミスを見逃さず、ボールを奪うとドリブルで突進。DF2人を抜き去り、最後はGKとの1対1から冷静に右隅に流し込んだ。W杯3大会連続ゴールとなったエースは「自分のこともうれしいが、チームが難しい初戦で勝ったのが何よりうれしい」と笑みを浮かべた。
 今大会の韓国は「史上最強」と呼ばれる。この日のスタメン11人中7人が海外組。先制点をアシストした21歳の奇誠庸はスコットランドのセルティック所属。24歳のFW朴主永はフランス1部のモナコでプレーする。
 その中で李正秀は異色の遅咲きDFだ。代表デビューは28歳。初の海外移籍が29歳。09年に京都入り。今季から鹿島でプレーしている。もともとはFW出身。プロ2年目にDFに転向し、韓国Kリーグの仁川時代に張外龍監督(前大宮監督)の指導により守備の才能を開花させた。
 主将の朴智星は00年、19歳で来日し京都入り。02年まで所属し、01年にはJ2でもプレーしている。その後PSV(オランダ)を経てマンチェスターU(イングランド)に移籍。09年にはアジア人で初めて欧州CL決勝の舞台に立つなど、アジア最高の選手に上り詰めた。だが、流ちょうな日本語で現在も日本の関係者と連絡を取り合うなど「Jリーグ」に育てられた恩を忘れていない。そんな2人が価値あるゴールを決めて母国に勝利をもたらした。
 胸のすく快勝劇にも許丁茂監督は「韓国サッカーがさらに発展していくための1勝。うれしいが、今後に備えるのが大事」と切り替えた。今後はアルゼンチン、ナイジェリアとの対戦を控えるが、朴智星は「頭にあるのはただ一つ。16強」と力を込める。目指すは自国開催以外での決勝トーナメント進出。その可能性は十分にある。

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2010年6月13日のニュース