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不協和音発覚!フランス痛いドロー発進

[ 2010年6月13日 06:00 ]

<フランス・ウルグアイ>シュート数18―7と圧倒も決め切れなかったフランス代表のアンリ(左)とリベリ

 A組の“本命”が不安なスタートを切った。06年ドイツ大会準優勝のフランスは、1次リーグ初戦でウルグアイと0-0で引き分けた。システム変更も機能せず、終盤に10人となった相手に決定力不足を露呈。レイモン・ドメネク監督(58)とMFフローラン・マルダ(30=チェルシー)の確執が報じられるなど、不協和音も浮上してきた。

 スコアレスドロー発進に不機嫌だった指揮官がさらに表情をこわばらせた。試合後の会見で、確執が伝えられたMFマルダを先発から外した理由を記者からしつこく質問されたときだった。ドメネク監督がキレた。「私はピッチ外のゴシップにはコメントしない!」。
 大事な初戦。ドメネク監督はマルダに代えてMFディアビーを起用した。しかし、結果にはつながらなかった。シュート数で18-7と圧倒しながら、枠に飛んだのは3本と最後の精度を欠いた。前半7分には、左サイドを突破したMFリベリの折り返しをMFゴブがダイレクトで合わせたが、ゴール右に外れた。指揮官は「こんなに押してもダメ。フラストレーションがたまる」と嘆いた。
 直前の強化試合すべてに先発していたマルダの先発落ちは周囲に驚きを与えた。原因として浮上したのが11日付のフランス紙レキップが報じた確執だった。10日の練習で攻撃的なプレーを見せていたマルダを指揮官が注意。それがきっかけで口論に発展したという。
 08年にもドメネク監督との不和が伝えられたマルダは「何もなかった」と報道を否定。ドメネク監督も「相手によって起用を変えることもある」と“噂”を打ち消し「ディアビー、マルダの動きが良かった」と付け加えた。だが、指揮官は過去にFWトレゼゲ、MFピレスら選手と衝突した実績があり疑念は残る。
 前回ドイツ大会では、母国を準優勝に導いたドメネク監督だが、最終調整の段階から迷走を続けている。5月26日のコスタリカ戦で新システム4-3-3を導入したが、4日の中国戦で0-1の屈辱的な零敗。従来の4-2-3-1に戻し“ぶっつけ本番”でウルグアイ戦に臨んだ。
 これでフランスは3大会連続で1次リーグ初戦は無得点。勝ち点1は確保したものの問題が山積み。マルダは「(1次リーグの)3試合をやる中でよくなっていくと思う。問題はあるが、自信を持って戦う」と慎重にコメントしたが、火種はくすぶったままだ。ドメネク監督が次のメキシコ戦(17日)までにチームを立て直せるか注目だ。
 

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2010年6月13日のニュース