成瀬國晴選 タイガース川柳大賞

◆成瀬 國晴(なるせ・くにはる)
1936年大阪市生まれ。イラストレーターとして、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、商業デザインなど幅広い分野で活躍。レポーター、番組司会者、コメンテーターとしての顔も持つ。 日本漫画家協会会員。大阪府知事文化功労者表彰。第24回上方お笑い大賞審査員特別賞受賞。2007年大阪市市民表彰(文化功労者部門)、関西ディレクター大賞・特別賞受賞。
成瀬國晴HP【naasanillust.mond.jp

タイガース川柳2023年(年間大賞)

[ 2023年11月7日 07:00 ]

<年間大賞>
スポーツ紙 全部岡田が 舞っている
(大阪府東大阪市 真田 重雄)


<優秀賞>
独り勝ち してはセ界の 為ならず
(千葉県木更津市 安田 清一)


三番に ハマる若トラ 食べ盛り
(大阪府泉佐野市 浜田 竜哉)


 スポニチ選定「第19回タイガース川柳」の年間大賞選考会が6日、大阪市北区のスポーツニッポン新聞社大阪本社編集局内で開かれた。15年ぶりに復帰した岡田彰布監督(65)の下、レギュラーシーズンでは85勝を挙げ2005年以来、18年ぶりのリーグ優勝を果たすと、パ・リーグ覇者、オリックスとの「関西シリーズ」も制して38年ぶり2度目の日本一も達成した。喜びを示すように句の総数は昨年の3893を大きく上回る5079句。歓喜を象徴する、真田重雄さんの句が大賞に選ばれた。

 【講評】選考委員長・成瀬國晴(イラストレーター)


 阪神タイガースが38年ぶりに日本一のチャンピオンフラッグを手にした。


 心から慶祝の意を表したい。


 「タイガース川柳大賞」投句のみなさんにも「おめでとう、ありがとう」と謝意を述べるとともに喜びを分かち合いたい。


 1985年と2023年の2度の日本一に前者は吉田義男監督の「3F」スローガンのデザインを、後者は「甲子園歴史館・顧問」として関わってきた。


 2005年、岡田監督就任2年目に始まった当コーナーはどこにも類(たぐ)えない阪神タイガース応援川柳としてスタートし、その秋のリーグ優勝にいささかの寄与したと自負しているが、18年の時空を経てここにチームが日本一の栄冠を手にしたことにも投句のみなさんの応援が胴上げの支えになったと喜んでいる。


 年間大賞に輝いた真田重雄さんの句はリーグ優勝した時の月間賞だったが、CSを経て日本一になった11月6日付のスポーツ紙すべてに見られることで「一粒で2度おいしい」秀句となった。


 優秀賞の安田清一さんの句は快進撃の5月、40試合消化し貯金11になった時のタイガースファンならではの頬をつねった5月月間賞の句だ。


 同じく浜田竜哉さんの7月月間賞の句は、ドラフト1位の森下選手が3番に座り人生初の4安打、自己最多3打点など首位死守に貢献した時のものだ。


 日本シリーズで5本の適時打を含む8安打で新人最多新記録となる7打点を残した片りんをすでに予見していたようだ。

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