成瀬國晴選 タイガース川柳大賞

◆成瀬 國晴(なるせ・くにはる)
1936年大阪市生まれ。イラストレーターとして、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、商業デザインなど幅広い分野で活躍。レポーター、番組司会者、コメンテーターとしての顔も持つ。 日本漫画家協会会員。大阪府知事文化功労者表彰。第24回上方お笑い大賞審査員特別賞受賞。2007年大阪市市民表彰(文化功労者部門)、関西ディレクター大賞・特別賞受賞。
成瀬國晴HP【naasanillust.mond.jp

タイガース川柳(9月第2週 週間賞)

[ 2023年9月12日 05:15 ]

 <週間賞>
監督に 野球を学び 美酒を待つ
(神奈川県横浜市 大坪 覚)

 <佳作>
扉開け 出鼻くじいた ホームラン
(大阪府高槻市 梅津 昭)

広島で 粘り聖地で コイ終わる
(香川県高松市 鴨居 高司)

8回の 雨を乾かす よに沸かせ
(和歌山県かつらぎ町 窪田 泰壽)

タイトルも 目配りしてる そらそうよ
(徳島県小松島市 谷本 良裕)

 【講評】
 選考委員長・成瀬國晴(イラストレーター)

 ついに優勝マジックが5になった。

 阪神ファンは「もういくつ寝ると…」と18年間の夢が正夢になる日を指折り、至福の日々を楽しんでいることと思う。

 今シーズン、岡田監督によって選手も意識改革したがファンも野球の奥深さを学んだ。

 大坪覚さんの句は、岡田野球の奥義に触れ、ひと味深みが加わった美酒を心待ちする秀句だ。

 8日から始まった眼下の敵・広島を聖地に迎えた3連戦の幕開け1回、3番森下選手がいきなり床田投手のカーブを10号弾し、その得意球を封じてしまった。

 梅津昭さんが詠む「出鼻くじいた」もあったが、佐藤輝選手の今季聖地10本目を含む18号も出て村上投手10勝の援護弾となり、M10と合わせて見事に4個の「10」が重なった。

 この聖地で広島に3連勝して突き放し、76年ぶりにシーズン3度目となる8連勝したのを鴨居高司さんが詠んで入選した。

 窪田泰壽さんの句の見事さには唸(うな)った。

 10日、8回2死満塁で代打糸原選手が決勝打を放ったのを詠んだものだが「雨を乾かすよに沸かせ」で糸原選手の快挙が浮き上がってくる。

 ここにきて岡田監督が選手たちのタイトルに目配りして起用しているという谷本良裕さんの細かい目配り句はさすがに見るところを見て詠んでいる。

 さあ、カウントダウンに入る週だ。
 次回はどんな句が来るか楽しみだ。

 ▽応募方法  〒530―8278 スポーツニッポン新聞社報道部「タイガース川柳」係。メールはyakyuu-o@sponichi.co.jp、ファクスの場合は(電)06(6346)8574まで。〒住所、氏名、年齢を記入のこと。次回は18日必着。掲載は20日予定。

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