成瀬國晴選 タイガース川柳大賞

◆成瀬 國晴(なるせ・くにはる)
1936年大阪市生まれ。イラストレーターとして、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、商業デザインなど幅広い分野で活躍。レポーター、番組司会者、コメンテーターとしての顔も持つ。 日本漫画家協会会員。大阪府知事文化功労者表彰。第24回上方お笑い大賞審査員特別賞受賞。2007年大阪市市民表彰(文化功労者部門)、関西ディレクター大賞・特別賞受賞。
成瀬國晴HP【naasanillust.mond.jp

タイガース川柳(9月最終週・9月 月間賞)

[ 2019年10月2日 07:00 ]

川柳大賞イラスト
Photo By スポニチ

<週間賞>
ラストショー 胸いっぱいに 鳥が居る
  (兵庫県西宮市・宮本 明彦)

<佳作>
レジェンドを 超えて令和に 名を刻む
 (京都府京丹後市・金森 恵里)

奇跡って 意外と近くで 起こること
  (兵庫県西宮市・杉江 光子)

深酒や 虎に惜別 多すぎて
  (大阪府箕面市・山前 知樹)

虎視眈々 横田の奇跡 力にし
  (大阪府大阪市・後藤 憲之)

<9月月間賞>
ラストショー 胸いっぱいに 鳥が居る

【講評】選考委員長・成瀬國晴(イラストレーター)

 奇跡、奇跡、奇跡。
 今季初の6連勝で、何とか2年ぶり8度目のCSに滑り込み進出が決まった。
 
 「新勝利の方程式」として、中継ぎ投手陣とクローザーに藤川投手を確立したからの快挙でもあるが、メッセンジャー投手、鳥谷選手、横田選手らの退団によりチームがさらに強固にまとまる絆ができたことだ。

 今季レギュラーシーズンのラストゲームになる甲子園球場での鳥谷コールは、宮本明彦さんが詠むように4万6千人の観客のみならず、鳥谷ファンの心にその偉大さをさらに留めるものとなった。

 近本選手の歴代新人単独3位、159安打は金森恵里さんが詠む、長嶋さんを超えて令和にその名を刻んだ。

 杉江光子さんの句は、9月30日の中日戦で先発大野投手に最優秀防御率の記録がなければ続投もあったが、これも奇跡の一つだし、暴投二つもそうだ。

 「あきらめない」という矢野監督のイズムも「勝たねばならない」というW杯ラグビー日本代表チームが持つメンタリティーも同じで、奇跡を生み出す根元にあるものだ。

 惜別の思いも、それが前向きの思いとなって奇跡を呼んだのと思うよ、山前知樹さん。

 後藤憲之さん、これらの惜別の奇跡をCSに生かして日本一を目指してもらいましょう。矢野監督はそんな力を持っていますよ。

 今年もシーズン中、たくさんの投句をいただきありがとうございました。阪神タイガースのポストシーズンの戦いに期待しつつ、今季のタイガース川柳を終了します。なお、日本シリーズ終了後に今年の年間大賞を決定する予定です。

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