成瀬國晴選　タイガース川柳大賞

◆成瀬　國晴（なるせ・くにはる）
1936年大阪市生まれ。イラストレーターとして、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、商業デザインなど幅広い分野で活躍。レポーター、番組司会者、コメンテーターとしての顔も持つ。日本漫画家協会会員。大阪府知事文化功労者表彰。第２４回上方お笑い大賞審査員特別賞受賞。2007年大阪市市民表彰（文化功労者部門）、関西ディレクター大賞・特別賞受賞。
成瀬國晴HP【naasanillust.mond.jp】

タイガース川柳（9月第1週　週間賞・8月　月間賞）

[ 2019年9月3日 19:30 ]

　＜週間賞＞
病み上がり　なぜかスッゲエ　球投げる
（和歌山県かつらぎ町・窪田　泰壽）

　＜佳作＞
絵日記に　やめたらあかんと　息子描く
　　（兵庫県加古川市・松浦　伸）

振り逃げは　カッコ悪いが　追加点
　　　（大阪府高槻市・梅津　昭）

大勝や　秋夜に笑う　ペン笑う
　　（大阪府高槻市・堀家　市次）

お土産は　もみじ饅頭　かっさらい
　　（兵庫県三木市・岩谷　和代）

　＜8月月間賞＞
勝ってるわ　ええん違うの　この打順
　（京都府京丹後市・金森　恵里）

【講評】選考委員長・成瀬國晴（イラストレーター）

　雨の中日戦、晴れた巨人戦。7回1失点なのに、17イニング2/3連続無失点なのに…青柳投手が泣いた中日戦。

　先週はCS（クライマックスシリーズ）にらみの激戦だったから、いい句が多く来た。

　1日の巨人戦で、インフルエンザに続き右脇腹肉離れが癒（い）えた岩貞投手の6回零封、2番手の岩崎が招いた2死満塁のピンチで火消ししたジョンソン投手。この二人の快気祝いを窪田泰壽さんはスッゲエとおかしみを込めた句で週間賞をゲットした。

　松浦伸さんは、退団表明した鳥谷選手を引き止める子息の絵日記を句にした。この句には哀惜の情があって、選句子もホロリ。

　8月31日は、同点の7回に代打・中谷選手が勝ち越し6号ソロを打った。梅津昭さんはそれも詠んでいたが、8回1死三塁から大山選手が振り逃げでマルテ選手を還した快挙？も詠んでいたので、この穿（うが）ち句をもらった。

　そこへくると、堀家市次さんのは、届いたはがきの字がすでに笑っている。

　点差はさておき、首位・巨人にこのカード勝ち越したんだから、この戦いを作画した私の絵もペンが笑っていたでしょう。

　さぁ、3位・広島とのゲーム差は2、今週は横浜から白い中華まん、広島からも白いもみじ饅頭の土産を岩谷和代さんと待ちましょう。

　▽応募方法　〒530―8278　スポーツニッポン新聞社報道部「タイガース川柳」係。メールの場合はyakyuu－o＠sponichi.co.jp、ファクスの場合は（電）06（6346）8574まで。〒住所、氏名、年齢を記入のこと。次回は8日必着。掲載は10日。　