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【1986年5月】君は1000%/新生オメガトライブ “のど自慢荒らし”を迎えて好スタート

[ 2011年5月27日 06:00 ]

1986オメガトライブのボーカルになったカルロス・トシキ(写真は91年当時)
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 ★86年5月ランキング★
1 Ban BAN Ban/Kuwata Band
2 象さんのすきゃんてい/うしろゆびさされ組
3 Sosotte/本田美奈子
4 ちょっとやそっとじゃCAN’T GET LOVE/中村あゆみ
5 Teenage Walk/渡辺美里
6 君は1000%/1986オメガトライブ
7 ラズベリー・ドリーム/レベッカ
8 夏を待てない/国生さゆり
9 100%男女交際/小泉今日子
10 おっとCHIKAN!/おニャン子クラブ
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

 【君は1000%/1986オメガトライブ】

 85年いっぱいで杉山清貴がソロ活動のため脱退したオメガトライブだったが、後任のボーカルに決まったのは、日本でメジャーデビューを目指していた、甘く透明感がある声の日系ブラジル人。ブラジルでは“のど自慢荒らし”として有名だった。
 
 新生オメガトライブの第1弾となった「君は1000%」はオリコンチャートで最高3位、TBS「ザ・ベストテン」でも同2位を記録。レコード売り上げ35万枚を記録し、最高の滑り出しをみせた。
 
 オメガトライブを世に出した所属事務所社長の藤田浩一氏が杉山の後釜を探していたところ、デモテープが手元にあったカルロスの歌声を聞き、後任の有力候補として、レッスンを受けさせた。杉山が抜ける前にオメガトライブのボーカルとして内定し、さらにボイストレーニングに加え、日本語の勉強なども施してデビューにいたった。

 インディーズとして活動し、ソロでビューを目指していたカルロスだが「この先やっていけるのか不安で仕方がなかった。バンドとしてデビューできると決まった時、すごくホッとした」と振り返っている。

 レストラン経営の両親の元で育ったカルロスは本名高橋カルロス敏樹。アメリカンポップスから日本の歌謡曲まで幅広く聞いて幼少期を過ごし、小学校時代はコーラス部に所属。9歳の時にのど自慢大会で優勝。以後、リオのカーニバルやブラジルの全国大会で西城秀樹の「ブルースカイ・ブルー」を歌って優勝するなど、同国の日系人社会で「歌のうまいトシキ」のことを知らない人はいないほどだった。

 「君は…」の発売は5月1日。日本テレビ系のドラマ「新・熱中時代宣言」のテーマ曲だった。時を同じくして杉山清貴のソロデビュー曲「さよならオーシャン」もリリース予定で、どちらを先に出すかという問題になった。

 解散したとはいえ、円満に所属事務所もレコード会社も変らぬままだった杉山だったが、再スタートは納得いくものをという考えから、発売が遅れ、後発のはずの「君は…」が先にリリースされることに。新オメガトライブの一発目がヒットしたことにより、杉山も緊張のソロ活動スタートとなったが「さよなら…」も25万枚のセールスを記録。互いに新たな一歩を気持ちよく踏み出した。

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