365日 あの頃ヒット曲ランキング 5月

【1975年5月】港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ/「アンタ、あのコの…」が流行語に

[ 2011年5月13日 06:00 ]

歌詞が流行語までになったダウン・タウン・ブギウギ・バンド(写真は77年3月発売のシングル「愛しのティナ」のジャケット)
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 ★75年5月ランキング★
1 シクラメンのかほり/布施明
2 港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ/ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
3 昭和枯れすゝき/さくらと一郎
4 哀しみが終わるとき/野口五郎
5 花のように鳥のように/郷ひろみ
6 我が良き友よ/かまやつひろし
7 ひとり歩き/桜田淳子
8 湖の決心/山口百恵
9 22才の別れ/風
10 恋のリクエスト/あいざき信也
注目恋があぶない/ずうとるび
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

 【港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ/ダウン・タウン・ブギウギ・バンド】

 「アンタ、あのコのなんなのさ」が流行語までになった宇崎竜童率いる「ダウン・タウン・ブギウギ・バンド」が50万枚のセールスを記録した「スモーキン’ブギ」に続いて放った大ヒット曲。米国のトーキング・ブルースを参考に、宇崎の妻阿木燿子が作ったほぼ全編セリフ調の詞をロックのリズムをバックに「語る」というスタイルが大当たりした。

 斬新な試みは「スモーキン…」を大きく上回る、80万枚の売り上げを記録。この年の日本レコード大賞の企画賞を受賞した。

 明治大卒業も就職が決まらず、学生時代から出入りしていた芸能事務所でマネージャー兼新人教育係を担当。ソロ歌手を経て、「ダウン・タウン…」を結成したのが72年。リーゼントにサングラス、ツナギ姿のステージ衣装はいわゆる“不良グループ”のイメージが強かった。

 こだわりの強いバンドにも見えたが「ちっともつっぱってなんかない。こだわることも大切だと思うけど、俺たちは全くこだわらない。面白いことならなんでもやっちゃう。姿勢とかなんとか難しいことを言うとつまらなくなる」と宇崎。ブルースやブキウギをベースにした、ロックと歌謡曲をブレンドしたジャンルは、「カタカナエンカ」とも呼ばれた。多くのロックバンドがテレビにも出演せず、独自の活動をする中、レコード大賞のような賞レースの表彰も受ければ、出る可能性は低いとされたNHK「紅白歌合戦」にも喜んで出場した。

 「ダウン・タウン…」での活動と同時に、作曲家としても伴侶の阿木が手掛けた詞とセットで売れっ子になった。作曲の仕事が殺到したのは「港の…」のヒットから。75年9月発売の研ナオコ「愚図」がスマッシュヒットとなると、76年には山口百恵の「横須賀ストーリー」、内藤やす子の「想い出ぼろぼろ」などヒット曲を連発。レコード大賞では阿木が作詞賞、宇崎が作曲賞を受賞した。

 ピンク・レディーを中心にヒットを連発した、阿久悠、都倉俊一コンビとこの時代の双璧をなした。

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