365日 あの頃ヒット曲ランキング 5月

【1994年5月】空と君のあいだに/犬の目線で描いた 中島みゆき初のミリオンヒット

[ 2011年5月14日 06:00 ]

「空と君との間に」を歌った中島みゆき
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 ★94年5月ランキング★
1 WHEREVER YOU ARE/ドリームズ・カムトゥルー
2 夏が来る/大黒摩季
3 空と君のあいだに/中島みゆき
4 IT’S ONLY LOVE/福山雅治
5 夏を抱きしめて/TUBE
6 愛が生まれた日/藤谷美和子、大内義昭
7 君だけを見ていた/To Be Continued
8 Nights of The Knife
9 ア・ブラ・カダ・ブラ/米米CLUB
10 冷たいキス/ICE BOX
注目アリよさらば/矢沢永吉
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【空と君のあいだに/中島みゆき】

 「同情するなら金をくれ」の名ゼリフとともに、日本テレビ系のドラマとしては久々に大ヒットした安達祐実主演の「家なき子。主題歌はドラマが中盤にさしかかった5月14日に発売され、初回出荷分の20万枚は予約などでほぼ完売状態。追加注文が全国のミュージックショップなどから計60万枚入るほど。75年のデビュー曲「アザミ嬢のララバイ」から数えて29枚目のシングルで、これだけの反応があったのも中島みゆきにとって初めてのことだった。

 ドラマのプロデューサーの「主題歌はどうしても中島みゆきさんで」という熱意に動かされ、曲が生まれた。中島に届けられた曲作りの“材料”は、1匹の犬と少女が周囲の人間に翻弄されながら、家もなく転々とするというストーリーの大筋と犬の写真だけだった。

 ドラマの主役は少女。その少女の友達であり、支えであり、愛情を注いでくれるのはいつも離れずついてくる犬。中島は「犬の目線から見れば、視界に入ってくるのは「空」と「君」(少女)でしかなく、一番の友である「君」を守ることが自分のすべきこと」というテーマに沿って物言わぬ犬の視線で詞をつむぎだしていった。

 ストーリーもさることながら、中島の意を決したような歌い方に共感が集まり、「家なき子」は日本テレビのドラマとしては、81年の「池中玄多太80キロ2」以来、13年ぶりの平均視聴率20%超えの連続ドラマに。ドラマのヒットと相まって、中島も81年の「悪女」以来、オリコンチャートで1位を獲得。どちらも13年ぶりの快挙となり、最終的CD142万枚をセールスした。

 70年代に「わかれうた」、80年代に「悪女」、90年代に「空と君の…」と各年代に1位獲得曲のある稀有な存在となった、中島は「自分でも手応えのある曲が受け入れれてうれしい」と当時心境を口にしている。

 カップリング曲の「ファイト!」は10年以上前の83年にリリースしたアルバム「予感」に収録された曲だが、住友生命のCM使用され、中島のファン意外にも浸透。ボロボロになっても前を向こうとする姿勢に共感し、「空と君…」でなく、こちらを目的にCDを購入した層も意外と多かった。

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