365日 あの頃ヒット曲ランキング 5月

【1978年5月】時には娼婦のように/ヤバすぎてテレビで歌えない?黒沢年男 事故で予感

[ 2011年5月25日 06:00 ]

72年当時の黒沢年男(現、年雄)
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 ★78年5月ランキング★
1 サウスポー/ピンク・レディー
2 プレイバックPart2/山口百恵
3 時には娼婦のように/黒沢年男
4 宿無し/ツイスト
5 涙の誓い/アリス
6 タイム・トラベル/原田真二
7 時間よ止まれ/矢沢永吉
8 かもめが翔んだ日/渡辺真知子
9 かもめはかもめ/研ナオコ
10 微笑がえし/キャンディーズ
注目東京ららばい/中原理恵
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

 【時には娼婦のように/黒沢年男】

 タイトルもさることながら、なかにし礼作詞の歌詞はきわどい表現だらけ。各放送局が俳優黒沢年男(現、年雄)の歌番組出演に二の足を踏んだ。

 その一方で、レコード売り上げ、有線放送などは好調。オリコンチャートでも5月8日付で2位になり3週連続キープ。TBS「ザ・ベストテン」にもランクイン。レコードは60万枚の売り上げを記録した。

 性的描写を連想させる歌詞は日本レコード協会の内部組織、レコード制作基準倫理委員会(レコ倫)からは何の指摘も受けなかったが、日本民間放送連盟によって「要注意歌謡曲」に指定され、「時間帯・視聴対象により要配慮」とされてしまった。法的拘束力はなかったが、昼間にラジオやテレビから流れることは少なく、夜9時以降の音楽番組に出演することが圧倒的に多かった。

 アフロ風の髪型で視線を上げずに物憂げに歌う独特の姿が話題にもなり、その歌詞の内容とともに子供たちの間でも話題に。小学校で口ずさむ子まで現れ、先生が困っているなんて記事が週刊誌にも載った。

 黒沢は発売直前に車に乗車中に追突事故に遭った。これがヒットにつながったと信じている。というのも、その3年前に出したシングル「やすらぎ」がスマッシュヒットとなった時も、自動車事故に遭っていた。「これは売れるかも。怒りたいけど怒れない。変な気分だったけど」と黒沢は当時のテレビでのトーク番組で語っている。

 1964年、東宝の第4期ニューフェイスとして芸能界入りし、青春映画から文学作品、戦争ものまで幅広く出演し人気を博した。その分生活も派手で、ひと晩で出演料を使い切ってしまうほどだった。大先輩、森繁久弥の「役者は金を残すな」という“教え”を忠実に守ったからと本人は説明している。

 ガンを克服後、最近ではバラエティー番組にもよく出演し、男臭く気難しいイメージを払拭し新境地を開拓した。

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