球界のドリームチームが渡辺王将に敗れる…戸辺七段が監督“采配ミス”悔やむ プロ野球最強将棋王決定戦

[ 2021年12月12日 21:12 ]

渡辺王将(左)にプロ野球チームで挑み、投了する丸 
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 プロ野球選手の将棋王を決める「プロ野球最強将棋王決定戦」(スポーツニッポン新聞社、ドワンゴ主催)は12日、ライブ配信サービス「ニコニコ生放送」で「プロ野球×将棋特番」と題して生配信された。

 前半の6人によるトーナメントを終えると、後半はプロ野球選手が“ドリームチーム”を結成し、飛車落ちの渡辺明王将(37=名人、棋王との3冠)と対戦した。ドリームチームの監督は戸辺誠七段(35)が務め、対局までに戦術を伝授した。

 1人5手ごとの交代で、プロ野球最強棋士「球王」の称号を守った中日・平田良介外野手(33)、初出場で決勝に進んだ楽天・西口直人投手(25)、ロッテ・安田尚憲内野手(22)、巨人・丸佳浩外野手(32)、西武・山川穂高内野手(30)、DeNA・嶺井博希捕手(30)の順で対局についた。選手が登場する度に、室谷由紀女流三段(28)が、「1番・ライト平田」などと野球のようなアナウンスで送り出した。

 選手は戸辺七段の助言に従って忠実に指していった。それでも渡辺王将相手では指し手に困る場面が出てくる。今回は特別ルールが2つあり、一つは指し手に困ったときに画面に映る「声援」を聞くことができた。嶺井は1巡目にこのルールを使ってしのいだ。

 渡辺王将の攻めが厳しくなってくると、2巡目の嶺井のところでもう一つの特別ルール「代打オレ」を投入。戸辺七段が対局場に入った。大事な局面で一度だけの代打だったが、劇的に状況を変えられる展開にはならなかった。後を受けた嶺井は戸辺七段のアドバイスを忘れてしまい、画面は「サインミス」「凡ミス」などで埋め尽くされたが、なんとか3巡目へとつないだ。

 視聴者のコメントで画面が埋め尽くされるほど盛り上がった対局は、逃げ場のない状況で丸が3巡目に出ていき、すぐに投了となった。

 昨年は飛車角落ちの渡辺王将に勝ったが、2年連続の勝利は逃した。それでも、この大会を楽しみにしていた渡辺王将は「選手の皆さんはよく指した。チャンスはありましたね」と6人の奮闘を称えた。戸辺七段は「代打オレを使い切ってしまったので。監督は大事ですね」と“采配ミス”を悔やんだ。

 敗れはしたものの選手は渡辺王将との対局、トーナメント戦を楽しんだ様子。平田は「こんな日が毎日続けば。本当にいい1日でした」と大満足だった。

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2021年12月12日のニュース