桂文枝を単に「いらっしゃいの人」と思っていたIT企業エンジニアが日本一! 社会人落語日本一決定戦

[ 2021年12月12日 16:21 ]

「第13回社会人落語日本一決定戦」で優勝した麹家と太郎さん(前列左から4人目)、池田市・滝沢智子市長(前列左端)、大会統括・桂文枝(前列右端)ら。
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 「第13回社会人落語日本一決定戦」の決勝大会が12日、落語のまち、大阪・池田の「池田市民文化会館アゼリアホール」で開かれ、「麹家と太郎」こと松林太郎さん(33)が「悪魔のぱぴぷぺぽ」で優勝。優勝賞金30万円を手にし「昨年はビデオ選考で落ちた。まさか決勝に出て、優勝するとは」と驚きを隠せなかった。

 第13代名人に輝いたのは東京から参戦した落語歴4年目のスピードV。IT企業のエンジニアで、学生時代も落語とは無縁。大会統括の桂文枝(78)のことも「いらっしゃいの人」という認識だった。知人の誘いで落語にはまり寄席、落語会に通った。17年4月から自身が落語を始め、高座に上がるようになった。

 「新作落語が好き」で、先月30日に76歳で亡くなった三遊亭円丈さんの一門下で勉強。この日の「悪魔のぱぴぷぺぽ」はイヤな上司を悪魔の力で懲らしめる内容で「今までで1番受けた。文枝師匠にはまったかも」と大喜び。2年前に自身の4作目として作ったネタで「自分は上司との関係は良好です」と笑わせ「これからも新作をどんどん作ります」と意欲を見せた。文枝は「レベルが高かった。すぱらぴい大会れぴた」と優勝ネタに引っかけて笑いを誘った。

 2位の「金木亭犀斗」こと山下勝大さん(34)は福岡大落研OB。今年2月に「猫化亭福笑」から高座名を変えて参戦した。「昨年はコロナ禍で辞退した。2年分の思いが詰まって、ここまで評価していただけるとは」と感無量の面持ちだった。

 09年にスタートした日本初のアマチュア落語家・全国大会。今年は全国から265人が応募し、一次審査を通過した24~85歳までの147人が11日に池田市内6会場で開催された予選に挑み、10人が決勝に進出した。

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2021年12月12日のニュース