「日本沈没」國村隼 尾身会長の“葛藤”実感?「人ごとには思えない」政界から意見求められる物理学者役

[ 2021年10月4日 06:00 ]

日曜劇場「日本沈没―希望のひと―」の制作発表に出席した國村隼(C)TBS
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 俳優の小栗旬(38)が主演を務めるTBS日曜劇場「日本沈没―希望のひと―」(10日スタート、日曜後9・00)の制作発表が3日、東京都内で開かれた。政界から意見を求められる地球物理学者役を演じる俳優の國村隼(65)は「学者と政治的な立場の二足のわらじを履かねばならぬ人の葛藤を、役を通して実感として感じることができるようになりまして。(新型コロナウイルス感染症対策分科会の会長)尾身(茂)さんが会見されているのをテレビで見ると、何か人ごとには思えないような、そんな感じがしました」と語った。

 小栗が2010年10月期「獣医ドリトル」以来11年ぶりに同局の看板枠・日曜劇場に主演。1973年に刊行された小松左京による不朽の同名名作SF小説を原作に、当時も扱われた題材「環境問題」を2021年バージョンとして鮮明に描く。原作に大きくアレンジを加え、舞台は2023年の東京。国家の危機に瀕してなお、一筋の希望の光を見いだすために奮闘する究極の人間ドラマがオリジナルのキャラクター&ストーリーとして展開される。

 脚本は「華麗なる一族」「獣医ドリトル」「LEADERS リーダーズ」などの橋本裕志氏。演出は「インハンド」「ノーサイド・ゲーム」「TOKYO MER~走る緊急救命室~」などの平野俊一氏ら。撮影は今年春に終了した。

 國村が演じるのは、日本の地球物理学の最高権威とされる東大教授・世良徹役。政財界から意見を求められる存在になり、東山総理(仲村トオル)主導の環境事業「COMS(コムス)」に対しても安全性を保証。かつて後輩だった地震学者・田所(香川照之)の関東沈没説を関東沈没説を真っ向から否定している。

 「世良さんは学界の権威になっていますが、実は田所さんの才能に嫉妬している。逆に言えば、非常に認めている。関東沈没説に対しても、実は(心の)どこかで『ホントはあるかも』と思っているんですが、政治的な立場もあります。学者と政治的な立場の二足のわらじを履かねばならぬ人の葛藤というんですかね、それは非常に世良さん役を通して、実感として感じることができるようになりまして。尾身さんが会見されているのをテレビで見ると、何か人ごとには思えないような、そんな感じがしました」

 専門家の発言の重みについては「自分の一言によって、皆さんが右向いたり左向いたりするのが、いかに怖いことか。自分の葛藤も含め、本当はこっちだと自分でも思っているのに、でも立場上はそのことを公表できず、むしろ逆のことを言って包み隠してしまったり、とか。葛藤というものが一番ふさわしいキャラクターが、たぶんこの世良さんじゃないかなと演(や)りながらも思いました。人間味が伝われば一番いいです」と語った。

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