小橋賢児氏 東京パラ閉会式へ込めた思い オファーには本音も「このタイミングで?僕?」

[ 2021年9月13日 11:38 ]

小橋賢児氏(2010年撮影)
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 元俳優でクリエイティブディレクターの小橋賢児氏(42)が12日、自身のインスタグラムを更新。長文の投稿で、ショーディレクターを務めた東京パラリンピック閉会式に込めた思いや、オファーの経緯などを明かした。

 昨年12月以来、9カ月ぶりの投稿となった小橋氏は「パラリンピック閉会式から1週間が経ちました」としたうえで「今SNSを休止していたので、正直どこにもお伝えする場がなかったのですが 多くの人から温かいメッセージをいただき、ちゃんと自分の言葉でも伝えるべきだと思い、久しぶりにSNSを開いて投稿させていただきます」と休止していたSNSを再開させた理由を説明した。

 「最初にお声がけをいただいた時からここまで、本当に限られた時間、色々な制限のある中でチーム一同駆け抜けてきました。実際、お声がけをいただいた時は感覚としては鳥肌がたったもののいや嘘でしょ?このタイミングで?僕?と思ったのが正直なところで確定するまでどこか信じられないところもありました」とオファーを受けた時の思いを吐露。プレッシャーや迷いもあったが「身内や友人でも障害をもっている人がいる環境で育った僕にこういうタイミングで話がくるのは何か意味はあるのかなと思いましたし、少しでも可能性があるのではあればチャレンジしてみようと思いました」とつづった。

 準備は困難の連続だったという。「プロダクションに関わるところでは本当に奇跡的に一流のクリエイターの方々が集まってくれました。それはそれでありがたいものの、各所と日々やりとりする中で常に決断を迫られる日々で、とにかく悩んでいる時間がない…本当にこれでいいのか? いややっぱあっちの案の方がいいのではないか?そう思っても次から次へ押し寄せてくる波のように瞬時に決断が迫られる日々」と苦悩した日々を回顧。さまざまな危機やトラブルにも見舞われたというものの「結果としてこっちの方が良かったじゃん!」ということも多々あったそうで「自分自身の中にある執着や恐れからできるだけ離れることを同時に学んでいきました」と続けた。

 「今回のショーは公募キャストも含め、障害のある方、健常者、プロ、アマと多様な沢山の人々が参加してくれています」としたうえで「僕ら作り手も含め、これだけ多様な人たちが一堂に会して何かをつくるということ自体 まさに不協和音そのものでしたが、情熱溢れる出演者、スタッフのみなさんや、何事も諦めないクリエイターのみなさんのおかげでそれらがどんどん調和していく姿は感動ものでしたし、特に今回は障害者パフォーマーの方々のもっている才能や努力に本当に感動しまくりでした」と小橋氏。「みんな違うんだけど、調和がとれている。まさに調和した不協和音、違いが輝く世界になっていきました」と振り返った。

 「今回のショーで見せたかったことは、こんな素敵な世界をつくろうよ~ではなく、見方を変えればすでに素敵な世界はあるんだよ、ってこと」「どんな状況に置かれようとも今この瞬間を最大限に楽しみ生きる者として生き生きしてキラキラ輝いている姿です。それだけが残せたらあとは個々の解釈に委ねる」とショーに込めた思いを解説。「クリエイティブを通じて気づきのきっかけの場をつくりたいとおもってやってきましたので、今回の閉会式が、少しでも皆さんの個々の気づきに繋がっていれば幸いです」と呼びかけた。

 最後に今回のショーに携わったすべての人への感謝をつづり、「これは誰かがつくったショーではなく、皆さんが主役でみんなでつくったショーです。本当に一人一人が輝いてました。ありがとうございました!!!」と締めくくった。

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