羽生九段 車いすテニス金の国枝祝福 将棋に通じる「三手の読み」

[ 2021年9月6日 05:30 ]

15年、将棋盤を挟んで対談した羽生九段と国枝(毎日新聞提供)

 車いすテニス男子シングルスで国枝慎吾(37)が2大会ぶり3度目の金メダルに輝いてから一夜明けた5日、国枝が“憧れ”と公言している将棋の羽生善治九段(50)がスポニチ本紙に祝福のコメントを寄せた。

 「国枝選手、金メダル獲得おめでとうございます。6年前に対談をさせていただいた時に腕の筋肉を付け過ぎて逆に動きが悪くなったので、その部分のトレーニングは控えているというエピソードを聞いたのがとても印象に残っています。今後もますますのご活躍を期待しています」

 2人は2015年、第73期名人戦の開幕前に対談。国枝は12年に右肘をケガした際、新しい趣味として将棋を始めた。現在もオフの日にはオンライン対局を楽しんでいる。将棋は、自分の指す手、相手の指す手、さらに自分の指す手を考える「三手の読み」が基本。これはテニスにも通ずる考え方。国枝は「相手がボールを打った瞬間に動いたのでは遅い。自分が打ったらここに80%返ってくると予測して、残りの20%に打たれたら相手に拍手です」と話す。将棋が巧みなコース戦略と勝負勘に一役買っているようだ。

 対談で国枝は「頂点に立ち続けて格好いい」と羽生を称賛。「リオ、東京で4連覇」と夢を語っていたが、リオ大会はベスト8。何度も引退を考える中、地元で9年ぶりの王座奪還を果たした。

 車いすテニス、将棋界とも若手が台頭する中、ベテランの域に達した2人は一線で活躍。国枝は10日(日本時間)から全米オープン、羽生は銀河戦、名人戦順位戦と続き、まだまだトップとして輝きを放つ。(小田切 葉月)

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