NHK前田晃伸会長 放送局長の公募実施へ「40代の放送局長を」年頭あいさつ 改革実行へ「勝負の1年」

[ 2021年1月4日 14:50 ]

東京・渋谷のNHK社屋
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 NHKは4日、職員向けに前田晃伸会長(76)の職員向けの年頭あいさつを公式サイトに掲載。前田会長は「改革実行の年、結果を出す1年にする」とし、人事制度と運用を全面的に見直すと宣言。「放送局長の公募や幹部の選抜研修を新たに実施します。可能であれば、40代の放送局長を誕生させたいと思います」とした。また、受信料問題にも言及し「組織が膨らむだけ膨らみ、肥大しきったところで急に減収局面となったため、一気に矛盾が表に出始めているのが現状です」と分析。「今年は、放送法の改正など、大きな制度改革に向けた動きも進むはずです。その議論の過程で、NHKの存在意義が問われることが増えると思います」とした。

 人事制度改革については「NHKには、志も能力もある人が大勢います。しかし、その力を十分に発揮できていないように感じます。その一因は、硬直化した人事制度にあるとみています。強すぎるタテ割り、年功序列を前提とした旧来型の人事制度が、皆さんから成長の機会とやる気を奪っているのではないでしょうか。一人ひとりが正当に評価され、それぞれの能力に応じたポジションで思い切り仕事ができる組織。これからのNHKを支える若い人たちが未来に希望を持てるよう、人事制度と運用を全面的に見直します」と宣言。

 マネジメント層の意識から変えようと、昨年は放送局長や部局長と直接、経営について語り合う研修を実施。しかし「自分の取り組みがどのような成果を上げ、どれだけのコストがかかったのかを検証しようという意識がある人が少なかった」と感じ「放送局長の公募や幹部の選抜研修を新たに実施します。可能であれば、40代の放送局長を誕生させたいと思います」と改革の“本気度”を明かした。

 受信料問題については「NHKではこれまで、受信料が右肩上がりに増えてきたことで、構造的な課題を直視せずに済ませてきたのではないでしょうか。旧態然とした仕事のやり方のままでも、順調に収入が増えていたため、スクラップをせず新しいことを始めることができました。組織が膨らむだけ膨らみ、肥大しきったところで急に減収局面となったため、一気に矛盾が表に出始めているのが現状です」と指摘。

 「今年は、放送法の改正など、大きな制度改革に向けた動きも進むはずです。その議論の過程で、NHKの存在意義が問われることが増えると思います。視聴者・国民は、NHKが本当に変われるのか注目しています。改革を自分事としてとらえ、自らの持ち場でしっかりと結果を出すことに責任を持ってください。私も、改革が後戻りすることがないよう、本気で取り組みます。NHKにとって成果が問われる、勝負の1年です」と強い意思を示した。

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2021年1月4日のニュース