イケメン声優、内田雄馬「気持ちの良い朝届ける」 TBS「あさチャン!」ナレーターで充実の日々

[ 2021年1月4日 05:30 ]

TBS朝の情報番組「あさチャン!」のナレーターを務める内田雄馬(撮影・郡司修)
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 イケメン声優の内田雄馬(28)が、TBSの“朝の声”として話題になっている。

 昨年9月末から情報番組「あさチャン!」(月~金曜前6・00)のナレーションを担当。人気声優が情報番組のナレーターを務めることは異例だが、番組からオファーを受けて「こんな機会はない」と挑戦を決めた。

 「アニメの声優は気持ちを伝えることが大事。ニュースは正反対で、情報を伝えることが大事。難しさも感じますけど楽しいですね」と充実の日々を送っている。4日からの新年の放送に向けて「今年も皆さまに気持ちの良い朝を届けられるように頑張ります!」と力を込めた。

 以下、内田雄馬へのインタビュー内容。

 ――「あさチャン!」のナレーションを始めてから3カ月がたちました。慣れましたか?
 起きるのは慣れてきましたね。ただ、寝る時間は日によって違うので。決まった時間に仕事が終わるわけでないので、どうやってバランスとりながらやればいいか考えてやってます。睡眠時間が確保できないことが分かってる日もあるので、そういう時は、前の日にどうするか、次の日どうするかと組み立てて、考えていかなきゃと思っています。

 ――睡眠時間によって喉の調子が違いますか?
 全然違いますね。寝なきゃ治らないので。単純に喉が削れていくというか、消耗品なので。なくなったらおしまいなので。どう点検していくかがずっと課題ですね。睡眠を取ることが喉には一番いいんです。

 ――売れっ子声優の方が情報番組のナレーションを務めるのは珍しいことです。どうして挑戦を決めたのですか?
 もともと情報番組のナレーションには興味があって、でも縁がないと思ってたんです。なので、やってみたさはあれど、あれど…って感じだったので。お話をいただいたときはビックリしました。こんなお話をいただけるとは、と。始めるまでは「無理じゃない?」と思ってました。週5で朝6時からの放送ですから。ほかの仕事と並行してやるのは無理だと思いました。ただ、僕自身も興味があったし、スタッフも新しいことに挑戦してほしい。こんな機会もらえることって本当にない。今後ないと思うので、一度チャレンジをしてみたいなと思って決めました。

 ――アニメの声優と違う難しさはありますか?
 難しさは感じてます。声優はお芝居をする人なので、気持ちを伝える仕事。でも、ニュースのナレーションは情報を伝えることが大事。それが正反対なんですね。自分の主観が入ると偏った情報になってしまう。主観が入ると、番組が伝えたいことではなくなってしまう。僕の主観を完全に抜いて、番組が伝えたいことを正確に伝えることが大事だと思った。そこは単純に難しいと思いました。どうしても言葉のニュアンスとかから、何かを“拾おう”としてしまうんですよね。でもそうすると主観が入っちゃうので、文章そのものは単純に読むようにしてます。ただ、伝えたいことを捉えないと、何を言ってるか分からなくなる。それを伝えた上で、感情を入れずに読んでいく。難しいですけど、楽しいですね。

 ――ボイスオーバー(外国人の声の吹き替えなど)の時に気を付けていることは
 ボイスオーバーも、その人になってしゃべるというか。その人が何を言ったのかを伝えることが大事。お芝居をするというよりは、情報を伝えることにシフトしてる。多少なりともニュアンスは合わせるんですけど、情報を伝えるようにしています。

 ――情報番組のナレーションで面白いなと感じることは?
 ニュースって毎日違うので、世の中でこれだけのことが起きてるんだなってリアルタイムで感じられる。もともとニュースを見るほうではなかったんです。それが毎朝、何が起きてるのか、自分が仕事として毎日1回見るので、いろいろなものを追って、たどっていけるのは面白いですね。ニュースを見ないって人も多いと思うので、見てもらえたら今の日本の流れとか、いろんな情報を追えるので見てもらえたらと思いますね。

 ――内田さんの声を聴くために番組を見ているファンの方もいるようですね。
 そういうきっかけで見てくださって、日常で追うようになってくれたらうれしいですね。

 ――アニメの絵を見て声を出すのと、ニュースの映像で声を出すのは違いますか?
 やってる行為そのものは近いんですよ。絵がない時も多いので、決められた尺の中で言葉を入れるという作業は一緒なんですよね。伝えるべきものが違うのはさっきの話と同じになりますが、気持ちを伝えるのか、情報を伝えるかの違い。あと、人の言葉としてのテンポ感と、ニュースとしてのテンポ感は違う。さらにニュースのテンポ感も、そのニュースによって違ったりする。その時々で変えていかなきゃいけない。「声色を変えてほしい」とディレクションをいただくこともあるので、重たく読むこともあったり、明るいニュースは軽いトーンで伝えたり、ちょっとしたところで情報の伝え方を工夫しています。アニメの場合は声じゃなくて気持ちを変える作業なので、声を変えてつくることはないのでそこが違いますね。

 ――声優の仕事にもつながると感じる部分はありますか?
 何を伝えたいのかという要点をつかむことは重要だと思うので、役に立つと思う。朝に入って、すぐに要点をつかまないといけない。お芝居の時も、台本を読む時に要点をつかむのが早くなると思いますね。お芝居の台本で、大事なところってそんなに多くない。それをつかむと、話の流れが見えてくる。この子が伝えたいことはこれだなって。今はそこを楽しんでますね。

 ――ナレーションの仕事で印象に残ってることはありますか?
 ニュースの中身自体はいろいろありますけど、早口言葉みたいな言葉って本当にあるんだなと思いました。「密造酒」って言葉とか、「インドで密造酒が造られて…」というニュースがあったんですけど、密造酒ってめっちゃ言いにくい(笑い)。「手術」もそうですね。文の中に何回も出てくるんですよ。意外にそういう時に限って尺が短かったりして。ゆっくり読めれば言えるんですけど、そういう時は地獄ですね(笑い)。「なんで言えないんだ!」って気持ちになりますよ。声優の仕事でもありますから、それはしゃべる仕事をしている人はみんな経験しているんでしょうけど。ただ、アニメの場合は気持ちを伝える仕事なので、かんだことさえ味になることがあるんですよ。だから、気持ちが高ぶってちょっとかんだり、舌が回らなかったりするのも、それが良いって時もある。ナレーションは正確に伝えなきゃいけないので、難しいなと思いますね。

 ――早朝からの仕事ですが、今はどんな生活を送っていますか?
 午前3時くらいには起きて、4時前後には局に入ります。入ってすぐ原稿がくることもあれば、ギリギリに届くこともある。放送中に届く原稿もありますし。原稿を少しチェックして、すぐにそれを録っていく感じですね。

 ――終わるとアフレコなどの声優の仕事になりますよね。忙しい毎日ですね。
 アフレコって多い時でも、1日2本までしか取れないスケジュールなんです。現実的に2本分くらいしか時間がなくて、今はコロナ禍なので収録が全て抜き録り(個別の収録)なんですよ。だからスケジュールは組みやすいですね。それ以外にも、ゲーム、ラジオ、歌、などの仕事があります。声優は同じ役をやりつづける仕事ではないので、同じ日に小学生をやって、30代の男性をやってと、脳みその瞬発力が必要な仕事なんです。瞬発力でやっていかないと、頭の中が渋滞しちゃいますね。要点をつかむのが早いほど、仕事は早くなっていきます。

 ――番組を見てる人にはどう見てもらいたいですか?
 新しいニュースや毎日のニュースを聞く、世の中の流れを知ることを習慣化してもらえたらいいと思いますね。僕にとってはエンターテインメントとはまた違う場所で、新たなチャレンジだと思う。今までの活動を見ていただいてる方にも、新しい内田を見てもらえたらうれしいし、僕を知らない人にも「毎日の情報がしっかり聞こえてくるな、聞きやすいな」と思ってもらえるようにしたいですね。

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