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「三度目の殺人」斉藤由貴 是枝演出は「怖い」是枝監督は大ファン斉藤の“新境地”導く

映画「三度目の殺人」で対談を行った是枝裕和監督と斉藤由貴
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 女優の斉藤由貴(50)が、是枝裕和監督(55)の映画に初出演を果たした。斉藤のファンだった是枝監督が満を持して最新作「三度目の殺人」(9日公開)でオファー。念願の出演が叶った。斉藤は、事件のカギを握る被害者の娘(広瀬すず)の母親役を好演している。是枝監督と斉藤のスペシャル対談が実現した。

 「三度目の殺人」は、福山雅治(48)が初の弁護士役に挑んだ法廷心理サスペンス。カンヌ国際映画祭審査員賞に輝いた「そして父になる」(2013年)以来、是枝監督と福山が2度目のタッグを組んだ。是枝組に初参加の役所広司(61)が得体の知れない不気味な容疑者を怪演している。

 それは、ありふれた裁判のはずだった。30年前にも強盗殺人の前科がある男・三隅(役所)が、解雇された食品加工工場の社長を殺した容疑で起訴された。犯行も自供し、死刑はほぼ確実。弁護士の重盛(福山)は、何とか無期懲役に持ちこもうと考える。しかし、財布を奪う金銭目的の身勝手な殺人のはずが、三隅は重盛に相談もなく週刊誌の取材に応え「社長の奥さん(美津江=斉藤)に頼まれ、保険金目当てで殺した」と“独占告白”。重盛が三隅に真偽のほどを確かめると、社長の妻・美津江からの依頼メールが携帯電話に残っているという。さらに、三隅の銀行口座には、給料とは別に50万円が振り込まれていた。重盛は急きょ、美津江の主犯へと切り替える。

 三隅と美津江の関係を探るうちに、重盛はある秘密にたどり着く。本当に三隅が殺したのか?その理由は?供述が二転三転する三隅の“底なしの闇”にのみ込まれる重盛は、弁護には必ずしも必要ないと信じていた真実を、初めて心の底から知りたいと願う。いくつもの疑問をはらんだまま、ついに裁判が幕を開ける──。

 ――是枝監督は斉藤さんのファンだったと聞きました。

 斉藤 そこからですか?(笑い)

 是枝 大ファンです。部屋にポスター?もちろん。「夜のヒットスタジオ」(フジテレビの歌番組)から何から、斎藤さんが映ったところだけを録画して集めた“斉藤由貴VHSビデオ”を作ったり。編集第1号?そうですね。最初は、大学生の時に見た相米慎二監督の「雪の断章―情熱―」(1985年、斉藤の初主演映画)。そこから恥ずかしいぐらい追っかけていますね。歌はもちろん、詩集や小説も全部持っています。

 ――是枝監督がファンだったということもあると思いますが、今回、斉藤さんにオファーした理由を教えてください。

 是枝 チャンスは狙っていたんですが、せっかくご一緒させていただくのであれば、斉藤さんでなければという役でお願いしたいという気持ちもあって。満を持してという感じです。言い方は難しいんですが、斉藤さんは昔から狂気を持っているというか。(心の)中で(何かが)爆発せずに、ずっと燃えている感じ。今回の女性は、そういう役だと思ったので。オファーを受けていただいたところで、斉藤さんの声で書き始めたので、最終的にはアテ書きです。出来上がった脚本は斉藤さんの声で書いています。声がね、声が好きなんですよ。

 ――過去にもお仕事はされていますが(91年、絵本作家・いわさきちひろ氏のビデオ絵本「ちいちゃんの絵本」の演出を是枝監督、朗読を斉藤が担当)、是枝監督の映画には今回、初出演になります。

 斉藤 やっと来た、と(笑い)。ただ、頂いた役がプリズムのようなというか、すごく難しいキャラクターだったので、こんな難しい役を振ってこられるなんて、と思いました。

 ――是枝監督の演出はいかがでしたか?

 斉藤 是枝監督は、例えば「このシーンで、この役はこんな役割を担っている」と説明するのではなく、演じる側がどういうふうにするのかを、まず慎重にご覧になるんですね。こちらから出てくるものを、監督の中で咀嚼というか、精査して、私がやろうとしていることを邪魔しないようにというか、つぶさないように細心の注意を払いながら、それでいて、効果的な考え方のヒントみたいなものを、そっと手渡ししてくれる。そんな感じの演出だったと思います。それぞれの作品で監督さんのアプローチの仕方は変わってくると思いますが、その中でも是枝監督の演出というのは、俳優側の生理に対して飛び抜けて心を砕くいう感じがしました。やりやすい?逆です。要は「真剣に考えてくださいね」ということなわけですよね。「あなたが考えていることが画面に映し出されまよ」ということなわけで。だから「うわっ、怖いな」と私は思いました。

 ――斉藤さん演じる美津江は、役所さん演じる三隅が「社長の奥さん(美津江)に頼まれ、保険金目当てで殺した」と週刊誌に暴露したため、疑いをかけられます。頼れるのは娘しかいないと、台所で広瀬すずさん演じる娘の背中に背後からピッタリくっつくシーンが印象的。自分を徹底して被害者だと思い込む母親だけに“意味深なシーン”になりました。

 斉藤 あれは完全に監督からの演出です。すごく深い意味を持つことになるので、そこまでするとは全く思いもよらなくて。

 是枝 あそこは背後から近づいて、においをかぎたかったんですよね。娘の髪のにおいをかぐ。あの距離感で、母親のちょっとゾッとする感じが出るといいなと思って。たぶん、ご覧になった人は「うわっ」と感じると思うんですよ。

 斉藤 もしかして監督にとって、私って、ゾッとするタイプの女なんですか?

 是枝 違いますよ(笑い)。

 斉藤 すごく心配になっちゃった(笑い)。

 是枝 斉藤さんは詩を持っている人だと、ずっと思っていて。ポエムはやさしいだけではないから、どっちにも転ぶから。狂気に転ずる感じというか。無垢なんだけど、悪魔にもなる感じというんですかね。斉藤さんには、そういうものを感じる時があるので。斉藤さんのコメディエンヌとしての資質は証明済みなので、今回はフラジャイル(壊れやすい)な感じを出してみたいと思いました。

 斉藤 無垢なようで、娘を愛するようで、だけど、その根底には如何ともしがたいエゴというか、自分をも騙すような狂気が潜んでいる。

 是枝 そうだよね。美津江はウソをついている自覚があるわけじゃない。自分が信じているものを信じているだけなんだよね。

 ――斉藤さんにとって、是枝組初参加はどんな意味合いを持ちますか?

 斉藤 俗っぽい言い方をすると「かの是枝作品に、私も一枚かめた!やったぜ!」って感じですかね(笑い)。是枝監督の「海街diary」(15年)を拝見した時に思ったんですが、1カット1カットがすごく静謐というか、穏やかな日常を切り取っているにもかかわらず、カットごとにヒリヒリと張り詰めた感じが満ち満ちていて、見る側が固唾を飲んでしまう空気感がすごく好きで。それはイコール、是枝監督が持つ特性みたいな、精神世界みたいなことなんだと思うんですが、その世界の中に、女優というより、私という人間が存在する時、どんなふうになるのかなということを体験できたのはすごくよかったです。

 ――次回作も斉藤さんとのタッグを考えていますか?

 是枝 こんな役というのが今、具体的にあるわけじゃないんですが、今回はきっかけなので。

 斉藤 メモメモ。

 是枝 ここからスタートだと思っています。もっと撮りたいなと思っているので。今回、側でお芝居を見させていただいていて、まだつかみ切れていないところもあって。今、すごく乗ったなという瞬間がお芝居の中で見ていて分かるんですが、どういう瞬間にスイッチが入るのか、スイッチが入っている瞬間に斉藤さんと役がどういう関係になっているのか、その辺がもっと知りたい。嫌がられていなければ、遠くない将来、またご一緒させていただければと思います。

[ 2017年9月7日 10:00 ]

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