人は何度も生まれ変わる?!お盆を前に不思議な話です

[ 2017年7月6日 09:00 ]

美輪明宏
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 【川田一美津の何を今さら】 もうすぐ暑い夏が来る。先日、梅雨の晴れ間に遅まきながら衣替えをした。自室のクローゼットの春物の洋服を一度全部外へ出し、夏服に入れ替える。その作業中、引き出しの奥に一冊の本を見つけた。シャーリー・マクレーンの著書「アウト・オン・ア・リム」。行動派ハリウッド女優の身に起きたミステリアスな体験談。出版されたのは今から約30年前だが、当時、世界中でベストセラーとなったので、きっとご記憶の方も多いだろう。

 実は昨年のちょうど今時分、作詞家の湯川れい子さんと仕事でご一緒する機会があった。ある時、ひょんなことから会話の中でこの本のことに触れた。その時は「私も読みましたよ」と相づちを打ってはみたものの、ほとんど内容が思い出せなかった。家のどこかに必ずあるはずなのにと探してみたが、そんな時に限ってなかなか見つからなかった。それが1年たって突然、目の前に現れた。去年だって衣替えはしたはずなのに。

 著書の中の主人公は次々と不思議な力を持った人に出会い、いつの間にこの世とは別の世界へつながる場所へ足を踏み入れて行く。それが偶然なのか必然なのかは誰にも分からない。もちろん彼女自身にも。そこで感じたことは、肉体は滅んでも魂は不滅、人は何度も生まれ変わるという、いわゆる「輪廻転生」の考え。さらに神は自分の中に存在する、人間の精神は宇宙へとつながっているなど、まさにスピリチュアルな法則だった。ページをめくると、「あっ、そうそう」と昔読んだ記憶と、当時、本の感想を語り合った女友だちの顔も思い出し、ちょっと懐かしかった。

 読み終わった頃、本紙で「美輪の色メガネ」を連載中の美輪明宏さんにお目にかかった。グッドタイミングと思い、「輪廻転生」のことをうかがってみた。そうすると、まずは、人の「霊魂」について解説してくれた。世の中には「霊魂」を信じない人もいるが、間違いなく存在しているという。科学の発達で「原子」「中性子」「陽子」などが発見され、今では中学生でも周知の事実。実は「霊魂」を構成している「素子」もあるが、まだ科学的に証明されてないだけ。美輪さんは、それを「霊子(れいし)」と名付けている。

 だから、肉体が滅んでも「魂」、すなわち「霊子」は、そのままエネルギーを保ち続ける。そして、その純度が高ければ高いほど神、仏、如来などに近づけるそうだ。「魂」を浄化していくためには、人間界でありとあらゆる経験を積む必要がある。艱難辛苦を乗り越えて魂を鍛える場所、修行の場がこの世。だから、人は魂の不純物を取り除くため、何度も生まれ変わる。あのお釈迦様でさえ、何億年もの間、輪廻転生を繰り返していたという。

 美輪さんいわく、「ですから、この世はつらいのが当たり前なのです。良いことが起きたら感謝の気持ちを忘れてはいけません」。信じるか信じないかは、あなた次第です!

 ◆川田 一美津(かわだ・かずみつ)立大卒、日大大学院修士課程修了。1986年入社。歌舞伎俳優中村勘三郎さんの「十八代勘三郎」(小学館刊)の企画構成を手がけた。「平成の水戸黄門」こと元衆院副議長、通産大臣の渡部恒三氏の「耳障りなことを言う勇気」(青志社刊)をプロデュース。現在は、本紙社会面の「美輪の色メガネ」(毎月第1週目土曜日)を担当。美輪明宏の取材はすでに10年以上続いている。

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2017年7月6日のニュース