阪神・西勇 イニングイーター気合の8回120球零封で救援陣温存!「四球なく、投球の内容も良かった」

[ 2024年4月12日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神0ー1広島 ( 2024年4月11日    甲子園 )

<神・広> 6回2死一塁、秋山から三振を奪い雄叫びをあげる阪神・西勇(撮影・大森 寛明)
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 試合後の阪神・西勇に笑顔はなかった。今季2度目の先発マウンドに上がり、8回120球を投げて5安打無失点と好投したが、チームは9回に得点を許して敗戦。ただ11年から昨季まで13年連続100投球回以上を続ける「イニングイーター」として、存在感は示した。

 「イニングを投げられたこともですが、四球なく、投球の内容も良かった」

 テンポよくアウトを積み重ねた。初回から2イニング連続で広島打線を3者凡退に封じると、走者を許した3回以降は粘り腰も発揮。4回は無死二塁を耐えた。5回は無死から俊足の7番・矢野に二塁内野安打を許したが、動じない。巧みに投球の間合いを変え、けん制を挟んで一塁走者・矢野をくぎ付けにし、後続の会沢、大瀬良、野間を打ち取った。「作戦面が絡んでくるので、(一塁走者を)ケアしながらと思いながら投げていましたし、ランナーが出てからもリズム良くいけた」。これぞ熟練の技だった。
 そして6回以降は打線に奮起を促すかのように仁王立ち。7、8回と2イニング連続で3者凡退に封じ、孤軍奮闘。白星に恵まれず、チームも敗れたが、だからといって無意味な「8回零封」ではない。

 「長いイニングを投げるのは大事なこと。昨日(10日)、中継ぎの方がたくさん投げたので、一人でも多くと思って投げました」

 前日10日に先発して2回6失点と炎上した伊藤将の後を受けて奮闘した中継ぎ陣を休ませることに成功。この投球は必ずや、きょう12日からの中日3連戦(バンテリンドーム)につながるはずだ。

 前回登板の4日DeNA戦では5回1/3を投げ8安打3失点で敗戦投手となったが、中6日で本来の姿を取り戻した。「自分の中でいろいろ考えることはある。そういうのはできたので、(次も)大丈夫かなと思います」。16年目を迎えた背番号16。今年も頼もしく、粘り強く、チームのために腕を振り続ける。(石崎 祥平)

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