阪神・下村 トミー・ジョン手術でデビューは来年以降に「今後のリハビリに誠心誠意取り組んでいく」

[ 2024年4月12日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神0ー1広島 ( 2024年4月11日    甲子園 )

阪神・下村
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 虎党に悲報だ。阪神は11日、ドラフト1位の下村海翔投手(22)が右肘内側側副靱帯(じんたい)再建術(通称トミー・ジョン手術)をすでに受け、この日退院したことを発表した。同手術からの実戦復帰には、一般的に1年から1年半を要するといわれており、今季中のデビューは絶望的になった。

 1年目から即戦力として期待された本格派右腕が、今季中にファンの前で投球を披露する可能性は、限りなくゼロに近くなった。トミー・ジョン手術を受けた下村がこの日、退院したことを球団が発表。阪神のドラフト1位投手が1年目に手術を受けて登板機会なしに終われば、史上初となる。

 他球団では中日のドラフト1位・草加(亜大)が2月に、下村と同じトミー・ジョン手術を受けた。そこから遅れること約2カ月。阪神のドラフト1位右腕も、右肘にメスを入れた。下村は球団を通じて談話を発表した。

 「支えていただいている多くの関係者の方から助言をいただき、手術を受ける決断をしました。入団してから何もできず、もどかしい気持ちもありますが、自分の決断を尊重してくださった球団の方々への感謝を忘れず、1日でも早く復帰し、チームの力になれるように、今後のリハビリに誠心誠意取り組んでいきたいと思います」

 青学大では4年時に常広(広島)とともに主戦投手としてフル回転し、全日本大学選手権で優勝。日米大学野球選手権ではMVPにも輝いた。昨秋ドラフトで即戦力と期待した阪神から単独入札を受け、入団した。しかし右肘の不安がつきまとい、1月の新人合同自主トレから投球に制限がかかった。2軍で過ごした春季キャンプ中のブルペン入りは1度で、捕手を立たせた20球のみ。青学大1年時の20年12月に右肘クリーニング手術と軟骨再生手術を受けた経歴を踏まえ、球団は慎重に育てていた。

 タテジマデビューは来年以降に持ち越しになることが決定的。とはいえ、最速155キロの直球と切れ味鋭いカットボールは一級品の呼び声が高い。復帰後の活躍に、期待がかかる。

 ◇下村 海翔(しもむら・かいと)2002年(平14)3月27日生まれ、兵庫県出身の22歳。小3から野球を始め、甲武中時代は宝塚ボーイズに所属。九州国際大付(福岡)では1年秋からベンチ入りして甲子園出場なし。青学大では1年秋からリーグ戦に登板。1部リーグ通算24試合で7勝5敗、防御率1・63。1メートル74、73キロ。右投げ右打ち。

 ▽肘じん帯再建手術 損傷した肘のじん帯(内側側副じん帯)を切除し、他の部位から正常な腱を移植する手術。1970年代に故フランク・ジョーブ博士が考案し、ドジャースの投手だったトミー・ジョンが74年に初めて受けたことにちなみ、「トミー・ジョン手術」とも呼ばれる。日本球界では村田兆治(元ロッテ)が最初に受けて以降、多くの投手が経験している。

 ○…近年の阪神投手でトミー・ジョン手術を経て1軍マウンド復帰を果たしたのは才木と島本の2人。ともに20年11月に手術を受け、才木は22年7月3日の中日戦で復帰。先発で5回を5安打無失点の勝ち投手。島本も同年8月4日の巨人戦で復帰。救援で6回の1イニングを無安打無失点だった。

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