中日・大野 556日ぶり復活1勝! 左肘手術乗り越え歓喜「自分のタオルの数も凄くて引退試合かと」

[ 2024年4月4日 05:45 ]

セ・リーグ   中日5-2巨人 ( 2024年4月3日    バンテリンD )

<中・巨>お立ち台で三好(左)、村松(右)とポーズを決める大野(撮影・椎名 航)
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 バンテリンドームの大歓声を浴びて、中日・大野は最高の笑顔を見せた。5回4安打1失点。22年9月25日の巨人戦以来となる“復活1勝”を挙げ、お立ち台で「ただいま!」と喜びを爆発させた。

 「歓声が凄かったですね。場内を一周した時も、自分のタオルの数も凄くてね、引退試合かと思いました」

 ユニークな言い回しも、完全復活を印象付けた。約1年ぶりとなる本拠地のマウンドで左腕を振った。140キロ台後半の直球は球威があり、宝刀ツーシームは効果的だった。3回まで完全投球。4回1死一、三塁で岡本和の遊ゴロ併殺崩れの間に三塁走者の生還を許したが、後続を断ち最少失点で切り抜けた。

 昨年4月4日のヤクルト戦(バンテリンドーム)で7回1失点(自責0)と好投した後に左肘痛を発症。同17日に左肘の遊離軟骨除去手術を受けて長期離脱した。昨季は、この1試合登板だけだった。「離脱してはいけない投手だと自分でも思っていた。悔しかったという思いより、トレーナーさん、家族、支えてもらった人への感謝を伝えたい」。投手陣の柱としての責任感、周囲の感謝を胸にリハビリに励んできた。

 チームを連勝に導き今季初のカード勝ち越し。勝率5割に復帰して3位タイ浮上に貢献した。立浪監督からは「きょうは5回でしたが、イニングも伸ばしていきながら、まだまだチームの柱としてやってもらいたい」と期待された。「自分の勝利は、そっと喜んでおいて。チームが勝ててよかった。どんどんチームが乗っていけたら」と大野。帰ってきたエースが、逆襲のキーマンだ。(湯澤 涼)

 ○…大野(中)の勝利は22年9月25日の巨人戦(バンテリンドーム)以来556日ぶり。シーズン初登板での勝利は、初の開幕投手を務めた16年3月25日の阪神戦以来8年ぶり。プロ14年間で初登板を3勝7敗(勝敗なし4度)と苦戦している。

 ○…大野(中)が巨人戦通算19勝目(25敗)。自身カード別では阪神戦の18勝を超え最多になった。中日投手の対巨人戦最多勝利は山本昌の43勝で大野の19勝は権藤博ら3人の18勝を超え鈴木孝政と並ぶ8位タイに浮上。また、巨人戦の通算防御率は2・98だが、19年以降に限ると1・47と格段に良化している。

≪大野の経過≫
 ★23年4月4日 ヤクルト戦に先発。7回3安打1失点で負け投手。この年唯一の1軍登板。

 ★同11日 立浪監督が、近日中の左肘の遊離軟骨除去手術と長期離脱を認める。

 ★9月21日 ウエスタン・リーグの広島戦に先発。170日ぶり実戦で1回を1安打無失点。

 ★同28日 ウエスタン・リーグのオリックス戦に先発。1回1/3を7安打4失点で負け投手も「中6日で投げられた」と回復に自信。

 ★24年2月1日 1軍の北谷でキャンプイン。初日からブルペン入り。

 ★3月3日 ヤクルトとのオープン戦で24年初実戦。救援で2回を1安打無失点。

 ★同10日 広島とのオープン戦に先発。4回を1安打無失点で勝ち投手。

 ★同19日 ウエスタン・リーグの阪神戦に登板。手術後最長の5回を6安打3失点。

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