広島・黒原4回零封、開幕ローテへ大前進 新投法で10イニング無失点!新井監督絶賛「幅が広がっている」

[ 2024年3月4日 05:45 ]

オープン戦   広島3―2楽天 ( 2024年3月3日    倉敷 )

<楽・広>広島・黒原(撮影・奥 調)
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 広島・黒原拓未投手(24)が、開幕ローテーション入りへ大きく前進した。3日の楽天戦(倉敷)に2番手として3回から登板し、4イニングを2安打零封。今春対外3試合での連続無失点を10イニングに伸ばした。開幕先発枠は、新外国人のトーマス・ハッチ投手(29)が当確ランプをともし、残り1。21年ドラフト1位左腕が好機を逃さずつかみ取る。

 黒原はマウンド上で落ち着き払っていた。今春対外試合3度目の登板で4回61球を投げ、楽天打線を2安打無失点に抑える好投。自分なりに工夫を凝らし、沖縄2次キャンプ最終クールから取り入れた改造フォームで、安定した投球を披露した。

 「走者を出してから焦らず、自分のテンポでしっかり投げ切れたのは良かった。ただ、ボール入りの打席が多かったので、そこは修正したいと思う」

 2番手として3回から登板。圧巻だったのは4回だ。1死後、3番・浅村を内角低めチェンジアップで、4番・島内は内角高め直球で、連続見逃し三振。先頭フランコに左前打を許し、1死一、二塁のピンチを招いた5回も、変化球を低めに集めて後続を断った。

 「ワインドアップで投げるとブレが大きくなると感じた。前回のブルペンからあの形で投げ、球の強さも変わらないので、今の感じなら継続しようと」

 グラブを胸の前で止め、右足をゆったり上げながらタメをつくって投げる。昨オフから大学時代のワインドアップに戻していたが、沖縄最後の投球練習から腕の静止する位置を変えた。体の状態やバランスを考え、たどり着いた投法だった。

 「黒原はずっといいね。球威で押し込んでいたし、カーブでカウントを整えられるので幅が広がっている」と新井監督は左腕の成長に目を細める。開幕ローテーション入り当確は「もう少し、みんなで争ってもらいたい」とあえて保留した。

 開幕先発枠は実績のある九里、床田、森下が確定。右肘手術明けの大瀬良も、実戦を順調に消化すれば確実視される。この日、新加入したハッチが当確となり、残るは1。し烈な若手同士の争いは、黒原がアタマ一つ抜け出した格好だ。

 「まだまだ争っていく段階だと思うので、次の試合もしっかり準備して、長所を出せるように頑張りたい」

 カーブやチェンジップ、スプリットを制球し、決め球として使いこなし始めた今春。強い追い風が21年ドラフト1位左腕の背中を押す。(江尾 卓也)

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