ヤクルト・村上 大谷と出会った運命の日に今季1号! 新バットで打率.500「勝ちに貢献できるように」

[ 2024年3月4日 05:30 ]

オープン戦   ヤクルト3―3中日 ( 2024年3月3日    バンテリンD )

<中・ヤ>初回、村上は先制2ランを放ち、打球を見つめる(撮影・椎名 航)
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 待望の今季1号だ。ヤクルト・村上宗隆内野手(24)が3日、中日とのオープン戦の初回に今季の実戦1号となる先制右中間2ランを放った。6、7日に行われる侍ジャパン強化試合の欧州代表戦(京セラドーム)前、最後のオープン戦出場で完璧な一発。侍ジャパン・井端弘和監督(48)が期待する日本の4番が、万全の状態で侍に合流する。

 美しい放物線を描いた打球が、右中間席へ消えた。「日本の4番」に生まれた待望の今季初アーチ。初回2死一塁、村上が決して甘くない内角やや低めの直球を捉えた。開幕カードで対戦する中日相手にオープン戦1号の先制2ラン。「しっかり打つことができた。シーズン中も対戦があると思うので、良いイメージを持っていければ」とクールに振り返った。

 今年からバットの形状を変更している。これまでの85センチから約1センチ長くなり、昨季までくり抜いていたヘッドの部分は平らにカットされた形状にした。「全部の球を打ちたい」という究極の理想を求め、打撃フォームを見直しつつバットにも変化を加えた。「今のところは良い感じ」とオープン戦は出場した3試合全てで安打を放ち、打率.500、2打点。何よりも一発は好調の証だった。

 打つだけではない。守備力向上をテーマに掲げた今季は、1月の自主トレで守備の名手の広島・菊池に弟子入り。2月のキャンプでも守備練習に時間を割き、第1クールの4日間は皆勤賞で特守に励んだ。この日の試合前も打撃練習後、時間ギリギリまで内野ノックを受け続けた。2度の守備機会はともに好捕を披露した。3回は辻本の三塁線を破りそうな鋭い当たりに素早く反応して処理。守備練習は下半身強化にもつながり、打撃にも好影響を与えている。

 2月上旬に左臀部(でんぶ)の張りを訴えて一時、別メニュー調整となったが「しっかり活躍するための準備はできた」と強調する。6、7日に強化試合を行う侍ジャパン・井端監督は「日本の4番。中心選手に間違いない」と期待。村上も「期待されてるなと思う」と自覚は十分だ。

 豪快な一発を置き土産に4日、塩見とともに侍ジャパンに合流する。昨年の3月3日は、中日との壮行試合が行われた同じバンテリンドームで、合流した大谷(現ドジャース)と初対面した日。WBCでは状態が上がらず自らSNSに「#そろそろ打てや村上って言ってください」と投稿するなど苦しんだが、今年は違う。「勝ちに貢献できるように頑張りたい」。侍の主砲が、満を持して1年ぶりに日の丸を背負う。(重光 晋太郎)

 ▽昨年3月の村上 侍ジャパンでは4番を外れた7日のオリックスとの強化試合で3ラン。実戦6試合目、20打席目で待望の一発だった。WBC1次Rは全4戦で「4番・三塁」に座るも14打数2安打。5番に降格した16日の準々決勝・イタリア戦で大会初適時打など2安打1打点。20日(日本時間21日)の準決勝・メキシコ戦は4―5の9回に逆転サヨナラ二塁打を放ち、翌日の米国との決勝では本塁打を放って3大会ぶり世界一に導いた。

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