中畑清氏 光るもの見せた巨人ドラ1・西舘&ドラ2・森田 実戦楽しみ

[ 2024年2月6日 05:30 ]

巨人宮崎キャンプで早朝、青島へ向かう中畑氏(撮影・西川祐介)
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 【キヨシスタイル!】こんなの珍しいよね。宮崎キャンプ第1クールは連日の雨。でも、今は立派な室内練習場がある。紅白戦や練習試合が流れたら困るけど、この時期でよかった。

 さて初日の巨人。木の花ドームのブルペンを見て安心したね。ドラフト2位左腕、森田駿哉(Honda鈴鹿)が切れのいいスライダーを投げていた。ツーシームもある。右打者にとっては内に食い込んでくる球と外へ逃げる球。厄介なんだよね。右打者が苦手にする左投手だ。

 去年の先発左腕の勝ち星はグリフィン6勝、メンデス5勝、横川4勝…。優勝した阪神では大竹が12勝、伊藤将が10勝を挙げた。左の先発が充実したチームは強いのよ。

 1位右腕の西舘勇陽(中大)もいい。全てクイックでの投球。打者にはクイックを嫌がるタイプとそうじゃないのがいてね。私は後者。タイミングが合うんだよね。

 ただ西舘はボール自体がいい。150キロを超える真っすぐにカットボール、スライダー、フォーク。制球もよく、四球で崩れていくタイプじゃなさそうだ。

 昨秋のドラフト。巨人は支配下の1位で大学生、2位から5位は社会人を指名した。全員が大学を経由した社会人だ。5位の又木鉄平(日本生命)を含めた3人が投手というのも強化ポイントを明確に示していた。

 その指揮を執ったのが水野雄仁スカウト部長。現役時代は猪突猛進というかな。打つなら打ってみろという感じで腕を振った「キンタ」だ。

 2020年から巡回コーチとスカウトを兼任し、21年秋に部長就任。直後のドラフトで隅田知一郎(西武)を外した1位で大勢を指名した。どんな投手かなと思ったら、いきなり抑えだもんね。

 22年ドラフトは4位で指名した門脇が去年、ショートのレギュラーを獲り、3位の田中が2勝、5位の船迫は3勝。眼力があるんだね。

 DeNAが強くなったのも当時の吉田孝司スカウト部長がドラフトで宮崎、山崎、今永(現カブス)、佐野らいい選手を集めたから。

 スカウティングと育成でチームは変わる。光るものを見せてくれた巨人の1、2位ルーキー。実戦に入って打者に対してどんな投球をするか。楽しみだ。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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