岸川勝也氏 山川&ウォーカーは年間を通して考えてほしい 使う側がどっしり構えて安心感を

[ 2024年2月6日 06:00 ]

フリー打撃するソフトバンク・山川(撮影・岡田 丈靖)
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 【岸川勝也 鷹論】ソフトバンクに西武から山川が加わった。たった一人、入っただけだが、いるといないとでは違うと思う。

 無難なのは4番だ。柳田、近藤が左打者だし、山川を挟む形でもいいし、1、2番の固定に苦労したならば2人を2、3番に並べても面白いかと思う。

 注意してほしいのは山川の場合、ここ数年、開幕してすぐ足をケガしていたこと。あの体形で俊敏に動けるのは、それだけ故障のリスクも伴う。FAで来た今季は張り切るだろうし、軌道に乗るまで周囲がいかにセーブさせられるかだろう。

 一連の騒動もあり、世間で叩かれている。その分、頑張るのは仕方ない。新外国人ウォーカーとの兼ね合いもあるが、DHを併用してあげるのもいい。ここ数年、開幕直後の故障が続いているのはどこか癖になっているのもあるのかと思う。

 昨季はケガもあり、17試合の出場で本塁打はゼロ。ただ、打つことに関しては問題はないと思っている。何年か前に右方向に大きいのを打ちたいと意識し、始動が遅くなった年もあったけど戻った。タイミングの取り方は下手ではないし、技術面は大丈夫だろう。

 もう一人、打線の補強でいえば巨人から右打ちの新外国人ウォーカーを獲得した。爆発力はあると思うけど、もろさはある。過度に期待せず、三振かホームランくらいの感じでいいんじゃないか。5番が左打者になれば、6番に置くほうが並びとしてはいいが、小細工はできない。7番くらいで好きに打たせたほうが良さそうだ。

 パ・リーグの投手とそう、対戦していない。どこまで使う側が我慢できるか。ほかの控えている選手の状態が良ければ、そちらを使うかもしれないけど、開幕戦をDHで使うのならば、ある程度、辛抱して使ってほしい。昨年のアストゥディーヨやホーキンスのように与えられる打席が少なければ、どんどん、焦って打つ形になる。昨季の助っ人はあの打席数では少し、気の毒だったように思う。

 3年間、優勝から遠ざかっている。球団は勝たなくてはいけないだろうが、山川、ウォーカーの新戦力に共通していえるのは、年間を通して考えてあげてほしいということだ。使う側がどっしり構え、打てる環境をどれだけつくってあげられるかだと思う。一番、重要なことは安心感だ。 (本紙評論家)

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