広島・大瀬良 昨年後半不振の教訓 原点回帰の投げ込み復活で「下地をしっかりつくる」

[ 2023年1月16日 05:00 ]

大野練習場で汗を流す大瀬良(撮影・奥調)
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 広島・大瀬良大地投手(31)が15日、広島県廿日市市の大野練習場で選手会の合同自主トレ初日に参加し、今春キャンプでの投げ込み復活を明言した。昨春は体力温存を意図してブルペンでの投球数を減らし、結果的に6月以降は低空飛行。同じ轍(てつ)を踏まないためにも、今春は21年までの1000球を目安に調整法を戻し、巻き返しに備える計画を立てた。 

 昨春試みた挑戦は失敗に終わり、いまは教訓として残った。大瀬良は開幕までの調整法を21年までのスタイルに戻すことを決めた。

 「(昨春)キャンプでは500~600球ぐらいしか投げていない。そこで投げる分をシーズン中の球数として加算していけたらいいなと思って取り組んだが、6月に入るくらいには、ガス欠というか(体力的に)苦しくなってきた。投げるスタミナがついていなかったので(今春は)例年通りに戻してやってみようと思う」

 昨年は31歳という年齢も加味してか、1年間を通して先発陣の柱として戦い抜くために調整法を変えて臨んだ。自主トレ期間はブルペン入りせず、初めて投球練習したのはキャンプの第1クール最終日。キャンプ期間を通して投げ込み量を減らした工夫は奏功せず現実は厳しかった。

 開幕直後は順調に白星を積み重ね、5月までに5勝。上昇曲線を描くかに思われた6月から8月にかけて、わずか2勝(5敗)にとどまり、2軍での再調整まで経験した。「ある程度、球数を投げて、下地をしっかりつくっていかないと難しいと思った」。行き着いた答えは、やはり原点。投げ込みの必要性だ。

 「(キャンプ全体で)1000球前後くらいが基準になる。体の状態などもあるが、昨年よりは多くなると思う」。昨春の約2倍となる球数を目安に設定。ノーモア“ガス欠”を掲げ、自主トレ期間の1月中から2~3度のブルペン入りを想定した。

 今季が節目の10年目。吉兆も感じる。新年を迎え、世界遺産・厳島神社を参拝した際に引いたおみくじ番号は新井監督の背番号と同じ25番だった。「吉でしたけど、おみくじは25番だったので、なんかいいことあるかなと。それだけで大吉。新井監督になって1年目なので、力になれるように頑張りたい」。今季が選手会長2年目。大黒柱としての威厳は結果で示すだけだ。(長谷川 凡記)

 《広島伝統の練習法》広島には春季キャンプ中に多くの球数を投げ込んで肩をつくる練習法が伝統として引き継がれている。かつては1度のブルペンで200球はザラとされ、過去には01年佐々岡真司の330球、02年黒田博樹の343球。近年では九里が21年キャンプ4日目の2月4日に347球の記録も残っている。なお大瀬良は17年秋季キャンプの11月10日、日南で230球を投げたことがある。

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2023年1月16日のニュース