日系選手初の侍ジャパン・ヌートバー「特に母にとっては特別」「本当に名誉なこと」

[ 2023年1月16日 13:41 ]

カージナルスのファンイベントでWBCへの意気込みを語るヌートバー(撮影・杉浦大介通信員)
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 3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に臨む侍ジャパン最終メンバーに選出されたカージナルスのラース・ヌートバー外野手(25)が15日(日本時間16日)、本拠地ブッシュ・スタジアムで催されたファンイベントに出席し、日米のメディアに対応した。日本人の母を持ち、初の日系日本代表となったヌートバー。明るい性格で知られる売り出し中の外野手は全体会見、日本メディアの囲み取材を通じて合計20分以上も質疑応答を続け、WBCへの意気込みも熱く語った。ヌートバーの会見での一問一答は以下の通り。

 ――WBCで日本生まれでない選手が初めて日本チームでプレーする。
 「控えめな表現でも大変名誉なことだ。本当に本当に興奮している。当たり前のことだとは思っていない。僕らの家族にとってもちょっとクレージーなことになっているみたいだ。母のところにリポーターがたくさんやってきている。今、母はメディアツアーをしているようなものだね。彼女はその瞬間を少しでも楽しもうとしていると思う。(日本代表の)監督とは話をした。本当に僕にとっては名誉なこと。私の家族にとってもね。少しでも私にできることがあるなら幸せだ。特に母にとっては特別だ。本当にすごいことだ。日本代表としてプレーすることが待ち遠しい。僕はママっ子(ママズボーイ)だから、いつも彼女のために笑顔を作ってあげられるのは本当にクールなことだ」

 ――チームが声をかけてきたのか、自分から接触したのか。
 「彼らが昨シーズンに声をかけてきた。ミルウオーキーにいる時のことで忘れられない。彼らは“興味あるか”と聞いてきた。僕はYESと言ったよ。そして、彼らは可能性を尋ねてきた。両親や私の資格についていろいろ聞かれ、すべてがクリアになった。正式なことがわかったのはつい最近のことだ。昨シーズン中からチャンスはあると思っていたけど、あまり興奮し過ぎたくないとも思っていた。だから正式に連絡をもらった時は嬉しかった」

 ――日本語の勉強をしているのか。
 「ちょっとはトライしたけど、新しい言語を1カ月で学ぶのは難しい(笑)。自分のベストはトライしたよ。母が日本の国歌を家で歌っているから、それを真似したりしている(笑)。僕は日本へ行って日本の文化に敬意を払うようにしたい。自分自身や家族を困らせるようなことはしたくない。できる限りの敬意を払い、悪い印象を残さないようにしたい。初めて米国生まれとして選ばれわけだから、失敗はしたくない」

 ――鈴木誠也とシーズン中に対戦したが、知り合いなのか。
 「いや、そうでもない。ダルビッシュ有が渡米してきた頃、彼はUSCでトレーニングをしていたので一度会ったことがある。ちょっと前のことだけどね。(日本代表の選手は)誰も知らないに等しい。ダルビッシュと会えたことはクールなことだが、個人的な繋がりは誰ともない」

 ――東京ドームでのプレーは楽しみか。
 「ビデオやいろいろなものは見た。母は日本で育ち、(東京ドームに)何度か日本の試合を見にいったようだ。それぞれの応援席があって、ヨーロッパ・サッカーのような感じだ。日本人は野球が大好きだから、日本戦はかなり盛り上がるだろう。3月にワールドシリーズのような雰囲気の中でプレーできるのはとても魅力的だ。そこでプレーできるのはとてもすごいこと。(メジャーリーグの)開幕の日は(カージナルスの)ファンもかなり情熱的になるだろうけど、自分は数週間前にこの雰囲気を感じた、と思えるはずだ」

 ――日本にどのような形で貢献できると思うか。
 「正直なところ、自分のことをゼロ・ツール・プレーヤーだと思っている。自分には特別な長所はない。ただ、一生懸命にプレーして、最高のプレーヤーになろうと思っている。侍ジャパンには、そんな僕を受け入れてくれたら嬉しい。もちろん、いい守備をするつもりだ。だから、一生懸命に頑張る。打席でも粘るつもり。僕は(大谷)翔平やマイク・トラウトや他の選手たちのように突出している訳ではないので、フィールドに出て一生懸命プレーし、全力を尽くすだけだと思っている」

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