阪神・湯浅 新守護神へ「横滑り」スライダー習得中「バッターが嫌がるボールを目指したい」

[ 2023年1月16日 05:15 ]

ブルペンで力強く投げ込む湯浅(撮影・岸良祐)
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 阪神・湯浅京己投手(23)が15日、新球として「横滑り」のスライダー習得に挑戦していることを明かした。沖縄県宜野座村で梅野隆太郎捕手(31)らとの合同自主トレを公開。持ち味の直球とスプリットに新たな武器を加えることで新守護神襲名に備え、既に侍ジャパン入りに内定した3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)も見据えた。

 湯浅は温暖な沖縄での調整に手応えをにじませた。「去年のこの時期に比べたら、全然今の方が感覚よく投げられている」。代表入りが内定済みのWBC、そして、何より猛虎の新守護神候補として上積みを目指し、新球の導入を期した。

 「縦の変化ばかりなので横の変化が欲しい。カットというより、スライダーの方がいいのかな…と。スライダーでも真っすぐに見えて曲がった方が打ちづらいと思う。そういうバッターが嫌がるボールを目指したい」

 選んだのはスライダーだ。直球とスプリットを主体に戦った昨季の投球割合は全体の6・6%。決して同じ球ではない。従来の縦回転とは別に横に滑る軌道を模索した。WBC使用球でブルペン入りし、全42球のうち数球を試投。昨秋の侍ジャパン強化試合で同僚になったオリックス・山崎颯から聞いた握りを参考に試行錯誤して「しっくりきた」と言う。

 「(弾道測定器)ラプソードで球速や成分を見ながら、いろいろ試している。感覚的な部分とデータ的な部分と照らし合わせて、自信を持って投げられるようにやりたい」

 究極はBC富山時代の恩師でもあるヤクルト・伊藤智仁投手コーチが現役時代に操った高速スライダーだ。「投げ方も全然違いますし、あれは本当に神の領域」と笑いながら、「本当に理想型」と思い描いた。最速156キロの直球、直球と同じ軌道から鋭く落ちるスプリットに絶対的なスライダーが新たに加われば、無双への準備は整う。

 WBC帰りを配慮する岡田監督の構想では開幕当初は“不在”でも、「WBCから日本のボールに戻る方が逆よりはいけると思う。開幕からいきたい」と力強い。昨季は交流戦期間に積極休養で1軍を11日間離れたこともあり、年間通じたフル回転は大切にするテーマの一つだ。「去年はあれ(休養)があったから1年通してやれた。今年は1年通せる体づくりを大切にやりたい。抹消なくやりたい思いはある」。アツアツの新球を携え、世界と“セ界”の頂へと駆け上がる。(阪井 日向)

 《女房役・梅野も活躍に太鼓判》阪神・梅野が湯浅のさらなる活躍に太鼓判を押した。自主トレ期間中はキャッチボールやブルペンで女房役を務め、「球筋を見る限り何も問題ない。優勝に向けて、もっともっと成長した(湯浅)京己自身の力がチームの力になる」と断言。21年東京五輪で優勝した侍ジャパンの先輩としても「短期決戦ですし、持ち味のハートの強さを前面に出してほしい。自分も最初は落ち着くまでに時間がかかったので、自信を持ってマウンドに上がってほしい」とWBCでの活躍を願った。

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2023年1月16日のニュース