イチロー氏 静岡・富士高を指導 都新宿に続き、部員19人の県立進学校を訪れた理由

[ 2022年12月4日 18:03 ]

指導するイチローさん
Photo By 代表撮影=共同

 マリナーズで会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(49)が4日、静岡・富士高で選手指導を行った。3日から訪問し、2日間指導した。イチロー氏が高校生を指導するのは、20年の智弁和歌山、21年の国学院久我山、千葉明徳、高松商、今年の都新宿に続き6校目。

 指導2日目となった4日も、フリー打撃を生徒の前で実演するなど精力的に指導にあたった。フリー打撃後には生徒からの要望もあってブルペンへ向かって投手も指導。自ら内野ノックも打った。

 富士高は文武両道の進学校で、野球部は部員が2年生9人、1年生10人。平日は午後4時ごろまで授業があり、下校は午後8時と決まっているため、実質練習に充てられるのは2時間半ほどだ。今年4月に稲木監督が就任後、地域への野球普及活動も積極的に行い、6月、10月と保育園児相手に活動。3日も、イチロー氏登場前に1時間ほど普及活動を行い、小1から小4の子ども約20人に生徒が投げ方、打ち方などを手取り足取り教えていた。

 訪問の経緯として、前回の都新宿に続き「やはり学業も頑張りながら好きな野球を続けているだけでなく、幼児や小学生を対象とした野球の普及活動に熱心に取り組んでいると聞いたから。彼らが感じたことを、さらに次の世代に繋いでくれるのではないかという期待もあり、今回も自らの意思で訪問を決めた」とした。

 今後の高校指導について「今年の2校を通じて、高校野球で大切なことは『野球が好きで、情熱を持って取り組んでいる』ことだと再確認した。今後もそれぞれのスタンスで野球に取り組んでいるいろんな高校生たちと一緒に野球をやってみたいと考えている」と見据えた。

 ▽イチロー氏のこれまでの高校指導

 ☆20年12月2~4日 智弁和歌山
高校球児を初指導。フリー打撃では自らバットを握って19本の柵越えを披露。日本ハムからドラフト4位の細川、広島から同4位の小林も参加。

 ☆21年11月28、29日 国学院久我山
 同年1月に当時の2年生部員全員から届いた手紙に心を突き動かされた。走塁の打球判断では「跳びながらリードを取ることはしない方がいい」と助言。

 ☆21年12月2、3日 千葉明徳
 甲子園出場経験がなく、過去最高の「8強」の壁を越えたいとの同校理事長の熱い思いが届いた。一塁から二塁に向かって2本の白線をまっすぐ引き「一歩目の切り方」を伝授。

 ☆同年12月11、12日 高松商
 同年夏の甲子園3回戦で智弁和歌山に敗戦直後、長尾健司監督が「うちにもイチローさん、来てほしいですね」と語ったことがきっかけ。今秋に巨人からドラフト1位指名を受けた当時2年で主将の浅野がキャッチボール相手を務めた。

 ☆22年11月26、27日 都新宿
 難関大学合格者を多数出す進学校。小学生を対象とした地域での野球普及活動にも熱心に取り組んでおり、イチローさん自身の意思で足を運んだ。実演しながら打撃練習で指導し、外野ノックでともに汗を流した。2日目は外野へ向かってのフリー打撃で105スイング。内野ノックを170球浴びせ、走塁練習で締めた。

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