阪神・岡田監督 佐藤輝に「三塁固定」への宿題「やらなあかんことは分かっていると思う」

[ 2022年11月22日 05:15 ]

秋季キャンプを打ち上げ、大山(手前)の音頭で一本締めする(左から)佐藤輝、中野、伊藤将、岡田監督(撮影・椎名 航)
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 阪神が21日、2日にスタートした高知県安芸市の秋季キャンプを打ち上げた。最終日の練習を終えた岡田彰布新監督(64)は、佐藤輝明内野手(23)に「2月にどんな姿を見せてくれるかやな」と語り、オフの間に打撃フォームの修正、守備、体力面のレベルアップを求めた。虎のスラッガーは、三塁の定位置確保へ、試練の冬を過ごすことになる。

 岡田監督が佐藤輝に、「三塁固定」のための宿題を課した。

 「やらなあかんことは分かっていると思うよ。子どもじゃないんやから。2月にどんな姿を見せてくれるかやな」

 最高気温21度の安芸の強い日差しを浴びながら、主砲に、12、1月の自主トレを意識高く過ごせと厳命した。

 キャンプ最終日のフリー打撃を真横で見つめた。詰まった打球が多かった。打撃修正の3点――(1)構えのバットの位置を低く(2)スタンスを広く(3)ポイントを投手寄りに打つ――は、簡単に習得できないことを承知の上。日本代表の強化試合に参加していたため、他の選手から10日遅れで合流した事情も考慮し、「1週間ちょっとではみんな変わらないよ。大山も3週間で、やっとこのぐらいの感じ」と、理解を示した。

 とはいえ、時間は待ってくれない。来春キャンプは2月11日の紅白戦を皮切りに、実戦モードへ突入する。沖縄で新しい取り組みをしている暇はない。「そんな期間ないよ」。だからこそ、安芸で伝えたことを、守備も体の強さを含め、オフの間に鍛えてこいというメッセージを送った。

 就任後は、シーズンを通して三塁を任せると公言してきた。ところが、秋季キャンプ合流初日の12日に間近でプレーを見て、ポジション固定を白紙撤回。その後は、一方的に突き放すのではなく、ウオーミングアップでリーダーシップを取るように求め、スイング改造をしようとする姿勢を認めつつ、時に体力不足に嘆きながら、力量を見定めてきた。

 今キャンプ中に信頼回復には至らなかったものの、「前提は」、三塁を任せる方針だ。ただし、そのポジションをつかむも離すも、冬の取り組み次第。危機感を植え付けるべく「佐藤(輝)が合流して2日目から、板山と渡辺(諒)がサードを守るようになったやん。そういうことやろ」と厳しい言葉を投げかけた。

 “代わりはいつでもいる”という無言のプレッシャーは、期待の裏返しでもある。日本球界初となる左打者で新人から2年連続で20本塁打以上をマークした大砲の成長なくして、18年ぶりのリーグ制覇は難しい。それを知将は分かっている。 (倉世古 洋平)

 【岡田監督の秋季キャンプ佐藤輝評】 ★痛烈ダメ出し 11月12日のキャンプ合流初日は指導せず。動きを見て「(プロに)入ってきた時が一番良かったんちゃう?」「(三塁固定も)分からへんわ」と酷評。翌13日、ドーム内でフォーム改善に取り組む姿に「外で打ち出したら変わってくる」と期待。

 ★猫パンチ厳禁 15日、初めて打撃フォーム指導。以前から指摘の高いグリップ位置を、ボクシングに例えて「(高いと)猫(パンチ)みたいになるやん。こんなん弱い。一番強いのは肩からのストレートやろ」とレベルスイングへの変換を説いた。

 ★向上心見えた 19日の守備練習中、背中の張りで離脱に「(他の選手と同じ)数も受けられないということやんか」と落胆したが、翌20日に右手人さし指を負傷しながら、前日分を取り返す志願の特守を見届け「(オフの間に)変わらんとあかんからのう」とうなずいた。

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2022年11月22日のニュース