阪神・水口打撃コーチ 大山らに指導「いいポイントで打つために、どの打者も前で打っている」

[ 2022年11月22日 05:15 ]

阪神・水口栄二打撃コーチ

【虎コーチに聞く~打撃コーチ(下)~】

 ――スピンスティックなど少年野球の指導で使用してきた道具も打撃練習で取り入れている。
 「見ていても股関節の硬い選手もいるし、下半身を使えてない選手もいた。股関節はスポーツの中で一番大切だと思う。股関節周りの力ができてきたら軸もしっかりする」

 ――秋季キャンプでは大山にボールの上をたたいて飛距離を出す(ラインドライブ)指導もしている。
 「あれはなかなか言葉では説明できない。実際にやって“あっ、こんな感覚やな”とつかむしか無理。でも選手たちは(練習では)できかけている」

 ――監督は大山をはじめ、選手たちに打つポイントを前にする指導をした。共通して水口コーチも思っていたこと。
 「ポイントを後ろにして押し込むというのは、何十倍も何百倍も力がいることなのでできないと思う。いいポイントで打つには、監督が言われているように前のポイントというか、そこは必要だと思っている」

 ――実戦では変化球や落ちる球にも対応していく必要がある。ポイントを前にして打つデメリットはないのか?
 「いいポイントで打つために、どの打者も前で打っているはず。スロー動画とかで見たら。“打つポイントは後ろじゃないよ”とみんなに分かってもらえたら」

 ――若手野手への期待は大きい。
 「全員期待していますし、全員が伸びてくれたら一番、底上げにもなる。そういう意味で、個々というか、誰々じゃなしに、タイガースの選手全員が、レベルアップしてくれたらいいなと思う」

 ――オフシーズンの調整で求める点は。
 「秋のキャンプで“めちゃめちゃ振らされてるな”という感覚が選手の中にあるのであれば、春はそのままいく。12月、1月でバットを振っていなかったり、練習していなかったら、春のキャンプではおいていかれる。“このレベルからいくよ”と(秋季キャンプの中で)思ってもらわないといけない。春のキャンプでは、もっとレベルを上げていかないといけないので」=終わり=

 ◇水口 栄二(みずぐち・えいじ)1969年(昭44)1月9日生まれ、愛媛県出身の53歳。松山商から早大を経て、90年ドラフト2位で近鉄入団。二遊間での広い守備範囲と、通算279犠打の打線のつなぎ役として活躍。01年のリーグ優勝に貢献。04年オフ、球団合併による分配ドラフトでオリックスへ移籍、07年現役引退。通算1561試合で打率・269、53本塁打、417打点。08~12年オリックス打撃コーチ。右投げ右打ち。

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