ヤンキース・ジャッジ ルースに並ぶ60号「とてつもない名誉」打率もトップで3冠

[ 2022年9月22日 02:30 ]

インターリーグ   ヤンキース9―8パイレーツ ( 2022年9月20日    ニューヨーク )

〈ヤンキース・パイレーツ〉9回、60号本塁打を放ったジャッジ(AP)
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 ジャッジもルースに並んだ!!ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(30)が20日(日本時間21日)、パイレーツ戦の9回に60号ソロを放った。1927年のベーブ・ルースに並び、61年ロジャー・マリスのア・リーグ記録の61本に王手。打率もトップとなり3冠王に浮上した。エンゼルス・大谷もルース以来の「2桁勝利&2桁本塁打」を達成しており、MVPの座を激しく争う2人が期せずして伝説に肩を並べた。

 ジャッジが新たな歴史を刻んだのは9回無死。4―8で迎えた第5打席だった。左翼へ60号ソロ。本拠を埋めた4万157人のファンは総立ちで称えた。

 「ルース、マリス、(ミッキー・)マントル…。偉大なヤ軍の選手たちは凄いことをたくさんやり遂げた。子供のころは彼らと同列で語られることなど想像もできなかった。とてつもない名誉」。普段から自身の記録は語りたがらないジャッジも、この日ばかりは球団OBでもあるレジェンドの名前を自ら挙げ、喜びをかみしめた。

 その時点で3点ビハインド。ファンからのカーテンコールには「本当は応えたくなかった」と渋ったが、アーロン・ブーン監督らに促されベンチから出ると、手を上げて歓声に応えた。そんなジャッジの一発でチームには魔法がかかる。無死満塁と好機を広げ、スタントンが左翼に27号逆転サヨナラ満塁本塁打。映画のような結末で、3年ぶりの地区優勝へのマジックを10とした。

 ルースに並ぶ60号はメジャー歴代8位で6人目。エンゼルス・大谷も今季、ルース以来の「2桁勝利&2桁本塁打」を達成している。2人に並ばれた伝説の男は、天国で激しいMVP争いを笑顔で見守っているだろう。マリスのア・リーグ記録にも王手。この日はマリスの2人の息子も観戦していた。さらに打率・316で堂々の3冠王。「3冠&61本塁打」となれば、MVP争いでも優位に立つ。

 ただ、これほどの記録を積み上げても「数字のことは考えない。まだ終わったわけではない。ゲームが残っている」。目指すは09年以来13年ぶりの世界一だけ。そのぶれない姿勢が30歳の主砲をさらに輝かせる。(杉浦 大介通信員)

 ◇アーロン・ジャッジ 1992年4月26日生まれ、カリフォルニア州出身の30歳。カリフォルニア州立大から13年ドラフト1巡目(全体32位)でヤンキース入団。16年にメジャーデビューし17年に52本塁打で新人王と本塁打王。球宴4度選出。愛称は「Judge=判事」の決まり文句である「All Rise(全員起立)」。2メートル1、127キロ。右投げ右打ち。

 《20歳ファン「世紀のお宝」本人に返却》左翼席に飛び込んだジャッジのホームランボールは本人に返却された。「世紀のお宝」をゲットしたのはニューヨーク在住のマイケル・ケスラーさん(20)。オークションにかければ最低5万ドル(約720万円)以上の値がつくとも言われたが「ボールはジャッジに返したい。なぜなら、これは歴史だから」。試合後、ケスラーさんはクラブハウスを訪れてジャッジにボールを手渡し、記念撮影。サイン入りのボールとバットをプレゼントされた。

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