「ここで還さないと男じゃない」広島・上本、執念V撃!4連打で延長戦制し3位・巨人と1差死守

[ 2022年9月22日 04:45 ]

セ・リーグ   広島10―4阪神 ( 2022年9月21日    甲子園 )

<神・広>延長11回1死満塁、左前に勝ち越し適時打を放つ上本(撮影・成瀬 徹)
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 広島は21日、同率4位で並んでいた阪神を10―4で振り切った。2試合連続で延長戦にもつれ込み、11回1死満塁で上本崇司内野手(32)の左前勝ち越し打を皮切りに長短4連打で一挙6点。6番手で延長10回を零封した松本竜也投手(23)に4勝目が付いた。勝った3位・巨人とは1ゲーム差のまま。逆転でのクライマックスシリーズ(CS)進出へ、残り4試合に望みをつないだ。 

 本塁打で逆転しながら追いつかれ、延長戦で敗れた前夜20日の中日戦と同じ試合展開。流れをつかめず、重苦しさが充満していた中での勝ち越し劇だっただけに、ナインの喜びはひとしおだった。殊勲の勝ち越し打を放った上本は破顔一笑だ。

 「みんなが必死につないでくれたので、ここで還さないと男じゃない。そう思って必死に食らいつきました」

 延長11回1死から会沢が選んだ四球が起点となった。小園のバントは三塁線に転がり、岩貞の一塁悪送球で一、三塁へ好機拡大。代打・磯村も四球を選んだ1死満塁で打席が回って来た。

 「弱気にならず、どんどん食らいつくという気持ち。前の打席で中途半端なスイングがあったので、2ストライクになった瞬間に開き直っていきました」

 1ストライクから空振りした、真ん中低めスライダーの軌道を焼き付けていた。同じコースに投じられた低めスライダーを振り抜くと、打球は前進守備の三遊間をライナーで割った。20年8月28日の阪神戦以来となる決勝打。ガッツポーズに充実感をにじませた。

 上本が重い空気を打ち破ると、以降はつるべ打ち。菊池涼が左前適時打を放つと、西川は中越え2点二塁打、マクブルームも中前2点打で続く。長短4連打で一挙6点。同率4位だった阪神を突き放し、CS進出にのぞみをつなぐ猛攻に佐々岡監督は安どの息だ。

 「最後につないで、つないで。崇司は(前の打席の)内容が悪かった中で、よく食らいついてくれた」

 野間がコンディション不良で2試合連続ベンチ外となり、リードオフマン抜てきに応えた32歳。3位の巨人が勝ったため、負ければもちろん、引き分けでも逆転でのCS進出は相当に厳しくなる。1ゲーム差のまま残りは4試合。上本は汗を拭って力を込める。

 「何度も言うけど、本当に負けられない。全員で1勝に向けて、襲いかかる気持ちで必死に食らいついていきたいと思います」

 チームの底力が問われるシーズン佳境。光を信じて、チーム一丸で力を振り絞る。(江尾 卓也)

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