牛島和彦氏 ヤクルト・村上の凄いところはボール球に反応しないところ

[ 2022年8月29日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト5―4DeNA ( 2022年8月28日    横浜 )

<D・ヤ>9回、安打を放つ村上(投手・山崎康)(撮影・会津 智海)
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 【牛島和彦 視点】村上の凄いところはボール球に反応しないところだ。この3連戦ほとんどの打席で自分のカウントに持ってきて四球を選び、打てる球を仕留めている。それは打席で気持ちのコントロールができているからだ。

 7回決勝ホームランの打席。ツーシームを2球ファウルして0―2。3、4球目外角へ外れるスライダーを見逃した。村上は0―2からストライクゾーンに入るスライダーは来ないと確信していたと思う。余裕で見逃し2―2。5球目の内角ツーシームを見逃しフルカウント。ボール球を振らないことで自分のカウントに引き込んでしまった。2球ファウルした8球目。村上はここで“スライダーはない、来てもファウルで逃げられる”と腹をくくり速い球を待った。狙い通り。内角低め完璧なコースにツーシームがきてもスタンドまで運べた。

 村上は1年間“打ちたい気持ち”をコントロールして打てる球を待てば結果はついてくることを知っている。ホームランが欲しい長距離打者でこれだけボール球を我慢できる打者はいない。投手はもうどう攻めたらいいか分からない。どこまで数字を伸ばすのか恐ろしくなってきた。(スポニチ本紙評論家)

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2022年8月29日のニュース