ソフトB・千賀 メジャースカウトに見せつけた159キロ直球&お化けフォーク 復活6回零封9勝

[ 2022年8月29日 04:45 ]

パ・リーグ   ソフトバンク6―0日本ハム ( 2022年8月28日    札幌D )

<日・ソ>6回無失点で今季9勝目を挙げた千賀(撮影・高橋茂夫)
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 ソフトバンクは28日、日本ハムに6―0で快勝した。新型コロナ陽性で離脱していた千賀滉大投手(29)が7月29日の西武戦以来の復帰登板を果たし、6回4安打無失点で無四死球の好投を披露。7月21日の楽天戦以来の白星で9勝目を手にした。正木智也外野手(22)が先制2号ソロ。中堅から本塁への好返球で補殺も決め、攻守でアシストした。チームは3カード連続の勝ち越しで首位を堅持した。

 肩の荷が下りた。新型コロナ感染で戦線離脱していた千賀が1カ月ぶりの復帰登板で、役目を果たした。80球の球数制限がある中で76球を投げ、6回4安打無失点で無四死球と貫禄を見せた。チームトップの9勝目。グラブを2度叩き、笑顔でマウンドを降りた。

 「1軍に帰ったらチームの力になりたいと思っていた。しっかり投げないといけない責任が伴う登板だったので、ホッとしました」

 この日はメジャーのスカウト陣がバックネット裏を陣取った。ヤンキース、メッツ、パドレス、パイレーツ、フィリーズの5球団が視察。順調なら今オフに海外FA権の取得条件を満たす右腕は、大リーグ移籍を視野に入れている。1カ月のブランクをものともしない好投は猛アピールになったはずだ。

 最速は159キロ。初回2死から3者連続三振を含む9三振を奪った。「休み明けから感覚は悪くなかった。十分に1軍でも通用する」と自信を持っていた「お化けフォーク」で7三振を奪い、切れ味の良さを見せつけた。

 バックもエースを支えた。1―0の4回1死二塁で古川裕に中前打を許したが、正木のレーザービームで補殺。千賀は「あれが同点だったら試合も分からなかった。感謝です」。7年連続2桁勝利に王手をかけ、「離脱してもそこはクリアしたいと思っている。また頑張ります」と笑みがこぼれた。

 4日に新型コロナ陽性判定を受け、39度台の高熱に苦しめられた。連戦が続く8月にチームをテレビで観戦。「みんな苦しい中、一人一人が頑張っていた。体の変化はあったけど、自分の体と会話をして早く戻るイメージを持った」と練習再開からわずか5日の21日に2軍戦で実戦復帰。エースの責任感が突き動かした。

 3カード連続勝ち越しを決めた藤本監督は「6回までいけたからね。一球一球丁寧に投げてくれた。次回は100球がメド」と“全開”にGOサインを出した。2位・西武とは0・5ゲーム差のままだが首位は堅持。29日のロッテ戦は奥村がプロ初先発する。

 同学年の千賀は「なかなかないチャンス。僕らは年も年ですし、一発勝負でいい投球を見たい」とエールを送り、最高の形でバトンをつないだ。(福井 亮太)

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