中日・岡林 高卒3年目のブレークの陰に大島の存在あり

[ 2022年8月29日 08:00 ]

中日・岡林
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 勢いが止まらない。中日の岡林勇希外野手が8月9日の巨人戦で立浪和義(現監督)以来2人目となる球団の高卒3年目以内のシーズン100安打を達成。その後も26日の阪神戦で初の1試合4安打をマークするなど好調をキープし、28日現在でリーグ6位の125安打まで伸ばした。初のシーズン規定打席数もクリアして打率も・286まで上昇。3割が見えてきた。

 3年目の今季は本人の想像をも超える急成長だ。記者席から見ていてもプレーの躍動感、スピード感が際立っている。三塁打は両リーグ1位の8本で、盗塁はセ・リーグ5位の17個。外野守備でも同1位の6補殺を記録し、昨年から定評があった守備範囲の広さはもちろん、球際の強さ、捕球技術も格段に向上。ゴールデングラブ賞の有力候補になっている。

 急成長をアシストしているのはベテラン・大島の存在だ。岡林は開幕から1、2番でコンビを組んでいるプロ13年目の36歳から多くを吸収している。開幕前には「常に全力でプレーして試合に出続けることで体力をつけていくんだ」とアドバイスをもらい、シーズン中もことあるごとに“大島の考え”を聞きにいっては参考にしている。

 「ぼくが1番の時は後ろに大島さんがいるだけで安心感がある。2番だと前にいて勉強する部分がある。近くに大島さんがいてくれて助けてもらっている」

 前半戦は1番・大島、2番・岡林の並びが多く、8月上旬に大島が新型コロナウイルス感染で離脱してからは岡林が1番。復帰後も1番・岡林、2番・大島で相手をかき回し、チャンスを演出している。

 その大島に岡林について聞くとこんな答えが返ってきた。

 「まだまだじゃないですか。頑張ってはいるけど」

 言葉は素っ気ないが、その顔はうれしそうだった。やっと見込みのある後輩が出てきたといったところだろうか。大島自身も初の首位打者が狙える位置につけている。37歳シーズンでの獲得なら最年長記録となる。

 スピードとセンスにあふれた若手と球界屈指の技術とメンタルを兼ね備えたベテラン。中日が誇る2人のヒットメーカーがペナント終盤を盛り上げてくれそうだ。(記者コラム・中澤智晴)

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2022年8月29日のニュース