西武が6球団目の5000勝 「流線型打線」再び!先発全員今季最多タイ16安打で10得点

[ 2022年8月29日 05:30 ]

パ・リーグ   西武10―4オリックス ( 2022年8月28日    京セラD )

<オ・西>球団通算5000勝を記念したプレートを持つ西武・辻監督(左)と源田(撮影・岸 良祐)
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 巨人、ソフトバンク、阪神、中日、オリックスに続き、プロ野球史上6球団目の5000勝到達を果たした西武。1950年の2リーグ発足で誕生した球団の到達は初となった。リーグを代表する名門球団の草創期、低迷期、黄金期を、それぞれレジェンドOBが振り返った。

 西武の前身・西鉄は「野武士軍団」と呼ばれ、その象徴が「流線型打線」だった。三原脩監督には得点力を高めるために打線を組む信条があり、安打数や打率は二の次だった。

 約70年の時を経て達した球団通算5000勝。辻監督は「夢のよう。ファンだったライオンズに入り、監督をできて5000勝。幸せ者だと思う」と感激した。かつての「流線型打線」を想起させる猛攻は4回。先頭源田からの6連打を含む8長短打を浴びせ、5得点で主導権を握った。

 佐賀で育った幼少期は西鉄の本拠地・福岡の平和台球場に「バンで山ほど行った」。17年に他界した父・広利さんのワゴン車に乗り、帰りは荷台に布団を敷いて寝た。選手兼任監督だった中西太や、「神様、仏様」と称された稲尾和久に熱狂。炭鉱の閉山が相次ぐ九州で西鉄は希望の光であり、野球にのめり込むきっかけになった。

 かつて「怪童」と呼ばれた中西が打線の中心に座っていた。その系譜を次ぐ4番・山川はこの日、プロ初の4安打をマークした。8回には中越え37号2ラン。先発野手全員の今季最多タイ16安打、10得点で猛攻を締めた。

 2500勝と3000勝時は現役だった指揮官は、「黄金期」を「5球団が束になって西武を叩きに来る包囲網。それでも勝って当たり前の時代」と回想した。通算5000勝は6球団目で、50年の2リーグ発足で誕生した球団では初めて。令和の現在は「時代が違うから。話してたら涙を流してくる子もいる」と時流に合わせた指導の中で「たくましく強い選手が育ってくれたら」と願う。その力を結集し、0・5ゲーム差で追う首位ソフトバンクに反転攻勢をかける。(神田 佑)

 ≪2番目のスピード到達≫西武の初勝利は50年3月16日東急戦(大須)で、通算成績は5000勝4437敗390分け。9827試合での到達は、巨人の8777試合に次ぐ2番目のスピードになった。

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